一大イベント!脱皮と羽化5【足場と姿勢の関係】

脱皮&羽化にベストな足場と姿勢の関係

カマキリは脱皮をする時には大体必ず頭が下になります。

大体必ずってすごく曖昧ですけど頭が本当に真下タイプと微妙にそうでないタイプがいるって言う話をしたいからです。

例えばちょうど良い止まり木や壁などで脱皮をするタイプのカマキリは必ず頭が真下になって脱皮をするかと思われますが、天井で脱皮をするとなると頭が脱皮前から真下と言うわけではなく体は天井と並行した形になります。ぬけがらは背中から割れて頭から順に下にぶら下がってどんどん抜けていくので重力に逆らう様な形でなければ大丈夫なんでしょうね。実は重力をうまく使っていると言うのが頭脳派ですね。

脱皮時、頭真下タイプ

脱皮時、天井と並行タイプ

写真だと分かりにくいですがこんな感じです。天井にとまっていても頭は飛び出てるので重力的にOKなのでしょうね。こんな細かい話を何故まとめているかと言うとカマキリは必ずしも完全に頭が真下になった状態じゃなくても脱皮をすると言う事をお伝えしたいのです。逆立ちしてないから脱皮はまだ!と思いこまない様に気を付けましょう。

私って写真をたくさん載せていますが結構映りが悪いですよね。上の写真とか重要な脱皮シーンなんだからしっかり分かりやすく撮れよって感じがしちゃいますがこれもカマキリへの配慮のひとつです。

脱皮中は決してケースを動かしてはいけません。

なぜか?転落に繋がるからです。脱皮途中で転落をしたら脱皮失敗まっしぐら。とても危険です。例えどんなにきれいな写真や動画を撮りたくても脱皮中だけはケースを動かす事は避けましょう。

ああ!大事な脱皮シーンなのに止まり木の影で写真に写せない!って時でも自分が動いていろんな角度から撮るしかないのです。写真を撮る為にカマキリを飼育しているわけではありません。カマキリの都合第一でどんな時も考えてあげましょう。

脚が固まって着地したらやっと安心

また、ちょうど良さげな止まり木を用意していても思ってもみないところで脱皮をする事もあります
カマキリはより高いところで、きっと自然界では安全なところで脱皮をする習性があるのかうちで飼育しているのは結構高確率で天井で脱皮します

高いところで暮らす習性が確かである証拠に通常の虫かごですと横型タイプが多いのでこれを縦に置いて飼育するのをカマキリの場合は推奨されます。カマキリが樹上性寄りで縦に動く生き物なのでこれ自体は正しいのですがそうなると虫かごの側面が天井になるのでその部分に捕まって脱皮をする可能性が出てきます。うまいことあみあみの蓋の部分とかでしてくれればいいですけど思った様に動くかは賭けの様なものになってしまいます。こんな曖昧な状況で飼育するのはちょっと不安なので虫かごの場合は天井部分に鉢底シートやネットなどカマキリが捕まれる様に張っておくといいです。

蓋に鉢底ネットなど足場補強アイテムをグルーガンで固定した状態

止まり木などをケースに固定する時にはテープなどで固定するとはがれてカマキリが張り付いてしまう心配があるので出来ればグルーガンなど時間が経つと粘着性がなくなるもので固定した方が安心だと思います。

グルーガン程度なら乾いてしまえばある程度はガリガリはがせると思います。

鉢底ネットなどで補強をする際には出来れば隙間の出来ない様に。なぜなら何故かそういった捕まりやすいところで脱皮をしないでわざわざツルツルなところを選んで脱皮を始め脱皮途中に転落をしたカマキリがいたからです。すぐ気づいたので良かったですけどもしそうでなかったら命取りになっていたかもしれせん。

転落したので拾い上げたカマキリ

この子の場合はほぼ体が抜けた状態だったのでまだマシでしたが本当の途中で転落をしていたらと思うと怖いですよね。暫く写真の様に持ってました。初代を飼育していたこの頃の私は脚を固める時間と言うのを考えていなかったのでお尻の部分がいつまでも抜けない…脱皮不全かも?!と焦って皮が脱げる様に催促をしてしまったと思うので抜け出したカマキリは脚がまだ柔らかく床に腹這い、脚でまだ立てませんでした。

脚がへんにゃり

当時の自分の無知を呪います。しかしお尻だけぬけがらの中の状態でカマキリが脚を固めるのを待っていたらかなりの時間同じ態勢で居ないといけなくなるのできついかもしれません。カマキリは長時間お尻だけでぶら下がって脚を固める作業をしてますからね。

ちなみに転落した事に焦りバタバタしていたので転落時の画像はありません(笑)

しかしこれって正しい形ですよね。転落した状態のカマキリを写真撮ってるくらいなら早く助けろって話ですから。

カマキリのケースを覗いたら転落したカマキリが助けてと言わんばかりにこちらを見つめていたのを今でも覚えています。この時から足場についてはより一層気を付ける様になりました。

しかしどんなに注意を払っても脱皮や羽化の失敗をしてしまうカマキリも居ます。それについてはこれって治るの?脱皮不全とハラオレの項目で紹介しています。

と言う事で、足場は頼れる止まり木のようなもの+天井も脱皮をしても大丈夫な状態にしておくと2度安心と言う事で心配が減るのではないでしょうか。足場は天井で脱皮をした時に邪魔にならない配置にしましょう。必ず天井の下にも脱皮や羽化を出来るだけの空間があくように配置をしましょう。

足場がたくさんあるのは安心ですがその為にスペースの確保を怠るようでは意味がありません。必要なポイントはしっかり押さえつつ無駄のない飼育環境を作ってあげましょう。飼育スペースに関しては用意する物2【止まり木、足場】の項目でも紹介しています。



今にも脱皮しそう!そんな時は餌をあげない

「これはもう脱皮の段階だな」と確信を持てたのなら餌を与えるのをやめて様子をみましょう

餌の虫が脱皮の邪魔をするパターンもあります。しかし無碍に餌を与えないのも危険です。

カマキリは脱皮をする際にはとても体力を使います。だからこそ餌をしっかり食べて蓄えておく必要があります

お腹がすいた状態で脱皮をするとカマキリは体力が持たず死んでしまったりする事もあるそうです。脱皮の為に一度餌をあげるのをやめたけど、まだ脱皮まで間があるかもしれないと思って改めて動きの悪くなったカマキリに餌を投入すると物凄い勢いで食べたりする事もあります。

動かなくなったから必ず脱皮とは限らないですからね。餌待ちをして他の虫に見つからないようにじっとして息をひそめているだけかもしれません。そこら辺はカマキリにしかわからないですけど、基本2日に一度の餌やりと言う周期を保ちながら様子を見ていけば確実かと思います。

ひょっとしてまだかな?と思ったら餌を普段与えるより少な目、もしくは小さめの餌を試しに与えてみてまだ食べるようなら随時追加してあげるのがいいと思います。狂暴な餌はこういった時は危険なのでやめておきましょう。

ちなみにややこしいなと思ったのがお腹の膨らみを見て満腹かどうかをチェックしていた時です。もう餌を2日あげてないのにお腹がパンパン!まだあげるには早いかな?と、ここで思ってしまいそうですが脱皮をするというのは体が大きくなると言う事です。カマキリの皮の下ではとても目まぐるしい変態が行われているんですよね。

つまりは今のサイズの皮よりもずっと大きな体が入っているわけですからそりゃあお腹の辺りもなんだかパンパンに見えるわけです。しかしこれ脱皮や羽化の時には恐らく腹面ではなくて背面が膨らみやすいでしょう。

これでバッチリ☆カマキリの腹具合の項目で腹部については詳しく紹介しています。

腹部の膨らみの見分け方も曖昧で難しいかもしれないので脱皮の膨らみと満腹の膨らみを間違えない様に餌をあげた日や数はメモなどを取っておくといいですね。

一つの要因で決めつけるのではなくいくつかの条件を照らし合わせて脱皮をするかしないか判断をしていきましょう。餌はあげすぎも注意ですからね。よく観察してコツをおさえましょう。

脱皮後のカマキリは取扱注意!!

脱皮後のカマキリはとても体が柔らかいです。
そりゃもう触ったらぐにゃりと曲がってしまいそうなくらいにです。

非常にデリケートですし脱皮の際にとても体力を使ってストレスも感じているものと思います。少なくとも1~2時間程度は脱皮の成功を確認したらほっておいてあげるのも優しさだと思います。脱皮後最低1日はケースから出さない方が良いでしょう

餌や水分も体が固まってから与えましょう。脱皮後すぐに加湿をするのは柔らかい体を乾かして固めたいカマキリにとっては逆効果になると思います。暫くはそのままの状態をキープしましょう。

脱皮に失敗したらどうする?

脱皮の後本来ならばカマキリをそっとしておきたいところなのですが脱皮の後、もしくは脱皮の真っただ中にでもすぐにカマキリを確保しないといけないケースがあります。これは脱皮の失敗をした場合です。

上記にも例がありますが体が中途半端に抜けていない状態で落下をしてしまっていたら拾い上げて尻尾や足先を持ってぶら下げてあげて下さい。カマキリが脱皮をしている状態をしっかり記憶しておくといいです。そのままの態勢をさせてあげれば安心です。脚まで抜けきれば安心です。



もし脚などのパーツが抜けきらない状態で苦労しているようだったらその抜けにくい部分に少し水分を垂らしてあげるて爪楊枝なんかで誘導してあげるといいかと思います。しかしこれが本当に正解な方法かわかりません。いくら誘導をしてあげても少なからず正常な脱皮を出来ない事はカマキリに対しての負担があると言う事は肝に銘じておきましょう。

私も2017年度大量飼育をした結果たくさんの脱皮不全=脱皮に失敗をするカマキリを出してしまいました。この事についてはカマキリの脱皮に携わる方には必ず知っておいて欲しい話でもあるのですが脱皮不全となってしまったカマキリはとても気の毒な体になってしまっています。その為閲覧注意となりますがそれぞれ対処法なども記してあるので気になる方はこれって治るの?脱皮不全羽化不全とハラオレ1の項目をご覧下さい。

何よりもまずはこういった状況を作らない事が大事ですからケースの環境は十分に整えておく必要がありますね。




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