絶対必要!止まり木or足場
カマキリは成長するにつれて何度も何度も脱皮をして最終的に羽化をし成虫となる生き物です。
この工程を失敗してしまうと命を落とす危険性があります。そうならない為に安全な止まり木や足場が必要になってきます。
ポイントは
1、倒れたりずれたりしない安定感
2、カマキリがしっかり脚を踏ん張れるだけの幅
3、脱皮後のカマキリの成長した体が十分にぶら下がれるだけの高さ&長さ
4、滑らない素材
と言ったところです。
ではこれを踏まえた上でどういったものを用意したらいいでしょう。
3.【止まり木】
使えるもの
・枝
メリット=タダ、しかも謎の虫が湧いて餌になる事も
デメリット=幅が細い、謎の虫が湧いてキモチワルイ(一度加熱や冷凍をすると虫の心配がなくなります)
※わいてくる虫がカマキリの害になる虫の可能性もあるのであまりおススメしませんが一般的に使われるものはこちらではないでしょうか。止まり木と言ったらカブトムシやクワガタのこういうよく見るやつが有名ですからね。
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こちらは名前が「のぼり木」になっていますね。こういったものは太いものから細いものなど色々ありますがあまり買った事がありません。そこらへんで拾ってきちゃいます。タダなんで(貧乏くさい)
カブトムシは木に捕まっていないと弱ってしまいますしクワガタは種類によっては木に産卵をするものがいる(この場合は止まり木やのぼり木ではなく「産卵木」と言うものを買います)ので必須となりますがカマキリに必要なのは「止まり木」ではなくあくまで「足場」となりますからそこまで木などの素材にこだわったりいわゆる専用のものを用意する必要はないと思います。
たまたまあったらもちろん活用は出来ます!
・草
メリット&デメリット=枝と同じ感じ。
バッタを生餌として使用するのならそのバッタ用の餌がイネ科の雑草などになるのでこちらもついでの足場になります。
枝や草はカマキリの本来住む環境にあるものなのでとても良いのですが幅が細い場合もあります。
そうなるとカマキリは脱皮の際に脚を踏ん張る事が出来ません。たまに器用に登り棒の様に脚を閉じて捕まって脱皮を成功させる事もありますがあまり良くなさそうなのでせっかく飼育下にお招きするのならカマキリの体の大きさに合わせてしっかり幅のあるものを用意してあげましょう。
また間に合わせなら、割りばしモール、造花、段ボール、厚紙なんかも使えますしぶっちゃけなんでもいいっちゃいいのですがメジャーどころは100均一などで購入出来る鉢底ネットです。
・鉢底ネット
メリット=ハサミで切れる、加工がしやすい、カビの心配がない、洗える
デメリット=開封時の商品そのものの匂い、脱皮の際逆に邪魔になる、立てかけて設置をするのが主流だとそれだと結構倒れる
巻いてるものでなくフラットなタイプのものも数枚セットで売っているのでそっちの方がいいかもしれません。巻き癖が結構強いです。
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使用するのであれば元の巻いている状態から切り取る際のコツとして巻方向に直角に縦にはさみを入れてあげるといいと思います。巻いている方向と同じ向きで切るとくるんと丸まってしまい止まり木としてイマイチです。(アイロンとかで直るかも)ただしそのカーブを利用すると言う手もあります。
カーブを利用してプラカップに立てかける事でちょうど良い脱皮場所に
こうすると天井部分にも鉢底ネットでの良い足場が出来ますね。しかしカーブ故に根本が不安定なので写真では脱脂綿を利用して固定しています。いっそグルーガンでくっつけてしまった方がズレてカマキリが下敷きになる心配がなくなるので安心かもしれません。
鉢底ネットに限りませんが止まり木は出来るだけ倒れたりしない様に固定しましょう。
テープなどで固定する際はカマキリが張り付いてしまわない様にガッチリ隙間なくとめましょう。出来るだけケース内はテープの使用は避けた方がいいと思います。
まぁ、そこまでするくらいなら縦切りしてまっすぐ立てかけれた方が固定しないでも比較的安定していいと思います。切り取る際の幅はカマキリの脚を広げた状態でもしっかり止まれるくらいの幅があった方がいいと思います。
こちらの写真は2018年度版。試しに鉢底ネット止まり木を入れてみた状態です。5齢くらいかな?
まぁ~やっぱりこれはイマイチでしたねw羽化前までは脱皮中に体勢を立て直す必要があまりないので天井さえ補強をしておけば十分な気がします。天井からぶら下がって脱皮をするとちょうどよく重力がかかって脱げやすさもあるかと思いますし。(天井を排水溝ネットにしておいてあとは何も足場を入れないでおくと天井以外で脱皮をする事は全く我が家ではありませんでした。つるつるのケースの壁などは脱皮場所としては選ばなかったのでちゃんと安定した場所を探すものだと思います)
ここで上から見たカマキリの図です。
脚の関節までの高さがフラットになった状態がカマキリにとって無理のない態勢になると思います。逆に脚を内側にすぼめる様な態勢は負担となりやすそうなので避けれると良いと思われます。
脚を広げた時の幅(膝から膝)の目安をぬけがらから推測してみましょう。
※後日写真比較をあげたいと思います。
どういった足場がベストかわからない内はカマキリが脱皮の場所をいくつか選べる様に複数足場を入れて具合を試すのも手です。
この図だと天井と止まり木(鉢底ネット)が脱皮スポットになります。
ちなみに我が家流だと逆に敢えて足場はあまり余計に入れないで最低限にしています。入れた分脱皮スペースが狭くなってしまう事を懸念しての事です。広々とした空間を保ちつつ置き場を考えてみましょう。
また用意する物1【基本】でも言いましたが、網の蓋などがついた横型のプラスチックのケースを縦置きして使う場合、天井がツルツルした面になってしまいます。こうなると天井でカマキリが脱皮をする可能性があるので足場として少し心配がありますね。なんてったって
足場として重要視したいのは第一に天井です。
用意する物1【基本】のおさらいの様になってしまいますが(笑)
写真のように横面と天井補強をすると安心です。
補強材として
・鉢底ネット
・網戸
・排水溝ネット
などが使えます。
止まり木が倒れた時のリスクを考えたら止まり木を配置するよりも壁や天井を補強をする方が安心かと思います。幼齢のカマキリはとても小さいので下手したら止まり木の下敷きになったりもします。くれぐれも気を付けましょう。
ちなみにケースの横の面の下の方まで補強してしまうと漏れなく餌がよじ登って来て脱皮の邪魔をする可能性もあるので餌の虫が登る足場になってしまう可能性があるものは張らない方がいいと思います。(上の写真はその欠点に気づくきっかけとなった初代の飼育ケースになります)下の方で脱皮をする事はないと思うので上半面だけネットを貼れば十分でしょう。
邪魔になるくらいなら止まり木はいらない
ここまで書いておいてなんですけど邪魔になるくらいなら止まり木はいりません。
以上は過去に実際に行った飼育例となり、現在では使って居ない素材になります。(前振りが長い)
最近では止まり木とも呼び難い
・排水溝ネット
・オーガンジー布
を蓋部分に挟んで壁面の足場としています。
見る限り天井さえ補強されていればカマキリは脱皮の場所にはほぼ困らないと思います。壁面は基本脱皮や羽化の後の行動を補う意味で入れています。
なんてったって私が飼育をしている限りは、いくら止まり木を入れても壁を補強しても結局高確率で天井での脱皮をするものばかりです。
十分な飼育スペース=脱皮や羽化を行うスペースが確保できるのなら良いですが、それが足りない様な環境で無理やり止まり木を入れるくらいならない方がいいでしょう。邪魔です。
それなら天井や壁などを補強をおすすめします。そうなったらどこかしらには必ずとまりますからね。
用意された止まり木無視で天井の排水溝ネットで羽化をするカマキリ
脱皮にしろ羽化にしろカマキリは重力の力を借りてぶら下がって脱皮をした後、体を起こし改めて柔らかい体を乾かしたり、羽化の場合は重力の力も借りつつ体液を送り込んで羽を伸ばしたりの行動に移ります。こうなった時に天井以外の側面に足場があるとスムーズにカマキリも上体を起こせると思われます。
その為「止まり木的な独立した足場」をナシにしたい場合は必ず壁は補強しましょう。
もしくは排水溝ネットを蓋に噛ませる方法などで何かしら捕まる部分を用意しておいてあげると良いと思います。
※羽化前はかつての脱皮と違って流れが独特なので気を付けましょう。詳しくは羽化前の飼育のページをご覧下さい☆彡
出来るだけカマキリの負担にならない環境作りをしておいてあげましょう。
あくまであるに越したものではないですが、代わりになる場所があるのなら大丈夫だと思います。しかしあくまで私の飼育をしてきた経験上の話で保障はないので、自己責任での実施をよろしくお願いします!
たくさんのカマキリを飼育している場合たくさんのケースを補強するのは大変な作業になります。こういった場合も排水溝ネットやオーガンジーの布などを蓋に挟むだけの作業に切り替えればかなり楽になるのではないでしょうか。
排水溝ネットはちょろっと垂らしておく止まり木としてはとても向いている素材だと思います。
カマキリの活動を妨害しない柔らかい素材なので多めにつけても安心。私は対面の角々の2か所に垂らしている事が多かったですが4隅でもいいでしょうね。そこまでやればどこで脱皮や羽化をしても安心でしょう。購入については100均で40枚くらいセットで売ってます。
しかし排水溝ネットでも邪魔になる可能性も一応考慮して必要最低限は心がけましょうね!
でした。
用意する物1【基本】に続いて
1、飼育スペース
2、飼育ケース
3、止まり木
と紹介してきました。
ここまでの項目で飼育する環境作りの基本はバッチリではないでしょうか?
次はいよいよこれなしでは生きていけない!カマキリの口に実際入る餌と水分についてです。