これって治るの?脱皮不全羽化不全とハラオレ8

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17、背中が歪んでしまっている

これって治るの?脱皮不全羽化不全とハラオレ2でも紹介をしていますが背中が割れてそれ以降出て来なかったり脱皮の途中で時間がかかってしまったカマキリについてはいわゆる猫背の様な姿勢で固まってしまう場合があります。

通常鎌までの脱皮がスムーズであれば背中に歪みが出る事はないでしょう。

しかし鎌までの脱皮、要するに背中、頭、触覚、鎌、のどれかで脱皮がうまくいかないと不具合が背中に出てしまう場合が多いです。ここはいわゆるセットと言うやつなので。

上の写真のカマキリは脚にも不具合が出てしまっていますが背中がまるで猫背になってしまっているところが一番気になりますね。ちなみにここまで固まってしまうともう遅いのですが脱皮したてのカマキリでまだ体が柔らかくて少しの猫背程度ならば背中を少し押す様な感じで撫でてあげると気持ち戻ります。しかしこの行為自体がカマキリにとってひょっとしたら負担になってしまうかもしれないので少し程度の体の歪みであれば次の脱皮に託して見守りましょう。体を柔らかくしたいからと言ってカマキリに直接霧吹きをするのはやめましょう。

しかし背中の歪みだけの脱皮不全であれば重度のものでなければ次の脱皮で持ち直すのでカマキリの命に心配はありません。

重度な猫背だとカマキリが前を向けないので餌なども取りにくく命にかかわり危険です。

もし猫背過ぎて餌を取りにくそうにしているのなら直接餌をあげるなどの工夫をしましょう。

また次の脱皮をしにくい可能性もあるので出来るだけ止まり木などを工夫して脱皮しやすい様に設置しましょう。

 

18、体の一部が欠損した

カマキリは脱皮のタイミングなどで体のパーツの一部を失う場合があります。

2017.02.02 キリ1 オオカマキリ 2齢

このカマキリは我が家の早生まれカマキリの中の1匹ですが2齢になった脱皮の際にどうやら脱皮不全を起こした様で左足が丸ごとない状態になってしまいました。

この不全の原因として考えられるのはカマキリが脱皮を行う飼育環境の湿気不足になると思います。

湿気が足りなくなってしまったが為に後ろ脚が抜けきらないまま体が固まってしまって自決の様な状況になり脚を失わざるを得なくなったのではないでしょうか。もしくは脚よりも前の脱皮の段階で湿度不足の為に脱皮に時間がかかってしまったので脚に到達する前に体が固まり始めてしまったのかもしれません。

いずれにせよ脱皮には湿気が必須であります。十分に環境は整えていたつもりでしたがもっと気を付けないといけないですね。

<<対処法>>

片脚の欠損程度ならカマキリは次の脱皮の際に少しずつ欠損したパーツを再生していくのでそこまでの心配はいりません。ただ他のカマキリより手をかけてあげるとより安心でしょう。脚1本ないだけでもだいぶ他のカマキリより動きにくそうに見えます。その為直接餌付けをするなど手間を増やしてあげると安心して次の脱皮を迎えられるでしょう。

またハンディのあるカマキリを襲う心配のあるコオロギなど獰猛な雑食の生き物はこういった時には与えない方がいいと思います。

念のためこのカマキリもヨーグルトなど人工的な物も+して直接餌付けをしたのですが問題なく自分でショウジョウバエを取る事も出来ました。

2017.02.10 キリ1

ただ片脚状態ではやはり気の毒だと思うので少し餌を多めに与え脱皮を早く出来る様に促しました。脱皮をすることで欠損したパーツは必ず再生していくので出来れば早めにそうなっていってほしいなと言う気持ちを込めて。

あくまで腹具合を見つつの餌の増量になります。そこのところの見分け方についてはこれでバッチリ☆カマキリの腹具合を確認下さい。

2017.02.06 キリ1

【脱皮不全の個体には積極的に人口餌を与える】

我が家では欠損のあるカマキリや脱皮不全を起こしたカマキリへの餌付けの際に限って人工餌をメインで与えています。

この場合の人工餌の与え方

1.竹ぐしの先に鶏肉や魚などをさしてヨーグルトや牛乳をつけます。

2.鶏肉を上にして下からカマキリを登らせます。カマキリは上(高い方)に向かっていく習性があるので餌は上にして、勝手に餌のところまで登っていくのを待ちます。

3.カマキリが餌まで到達すると自然と牛乳やヨーグルトなどの液状の餌がカマキリの鎌や脚につきます。

4.するとカマキリは鎌など体の掃除をする習性があるので自然と餌を口にします。

5.食べれるとわかると?自然と餌本体(肉や魚)を食べる場合もあります。

こうしてカマキリの習性を利用した餌のやり方はなかなか餌を捕まえられないカマキリなどにも使えます。

また人口餌しかない場合なども便利です。

この場合は固形物である鶏肉や魚などを食べさせる事を目的としてるのでやや回りくどいですがただヨーグルトや牛乳を鎌に塗ってあげるだけでもカマキリは鎌を掃除する習性があるので餌を口にする事が出来ます。

流動食だけでは少し不安なので固形をあげたいのですがなかなか固形を与えるのが難しい場合は流動食だけでもいいと思います。ただ固形の方が大きさがはっきりしてるので一度カマキリが口にしてくれたらかなり腹持ちしますが、流動食の場合は鎌についた程度では足りないかもしれないのでちょっと多めに与える必要があるかもしれません。

そこのところの見分け方はこれでバッチリ☆カマキリの腹具合で確認下さい。

またピンセットなどでカマキリの大きさに合わせた餌を挟んで与える方法もあります。この場合は固形をしっかり与えたい場合に有効です。しかしピンセットをカマキリが怖がってしまうケースがあります。工夫してあげましょう。

パーツの欠損については片脚程度なら命に関わる心配はなく次の脱皮で再生をするので大丈夫と言う事になるのですがこれが両足だったり鎌だったりするとかなりのダメージになりなかなか次の脱皮を成功させるのが難しくなります

2017.07.13

こちらのカマキリのレベルの脱皮不全になると「パーツの欠損」レベルの話ではなくなってしまいますが脚だけに注目すると2本失ってしまっている状態です。前脚だけ。後ろ脚だけ。ならまだ立つ事が出来るかもしれませんがこうして前1本後ろ1本失ってしまうともう寝たきりになってしまいます。

2017.07.19 糞すいません

しかしこのカマキリはよく食べよく生きました。完全に介護の様になってしまってましたが頑張って生きようとする姿は本当にたくましくて同時に飼育をする上で脱皮不全にしてしまった罪を強く感じました。

この様に寝たきりになってしまったカマキリでも生きる力はしっかり持っています。

しかし次の脱皮を成功させる事が難しいのです。このカマキリも次の脱皮を見守りましたが失敗してしまいその後弱って死んでしまいました。

欠損も程度によるのです。カマキリがなんとか一人で生きていける程度ならば再生する範囲でしょうが、一人ではとても生きれない状態だと生存率は絶望的です。

また欠損してても再生する、と言ってもそれは成虫になっていないまだ幼齢の羽化前のカマキリのみです

羽化をしてしまえばその後脱皮がないですから再生のタイミングもありません。成虫のカマキリのパーツの欠損はもう修正がきかないのです。だからこそ脱皮よりもさらに羽化のタイミングは気をつけないといけません。

2017.07.26 キリ2 成虫

我が家で羽化不全を派手に起こしてしまったのはキリ2と名前を付けた早生まれ組のオオカマキリの内の1匹でした。

このカマキリは羽化までは人一倍元気なメスカマキリでした。誰よりもよく食べ活発に動き回っていたのです。

しかし羽化のタイミングでケースの蓋にしていた排水溝ネットのほつれた糸に引っかかってしまったようでこんな体になってしまいました。欠損となったのは左足のみになりましたが脚4本が全体的に歪んでしまい翅もいまいち畳めてないですし背と腹の間の部分にも体液の様なものがにじんだ跡が出てしまいました。

本当に悪夢でした。

この様になったカマキリですが、自分で餌をとることやなんとか歩く事は出来たのでとりあえず最終的には外に逃がしました。逃がすと言いますがこんなの捨てる様なものです。ハンディを背負ったカマキリはなかなか自然界では生きれないでしょう。しかしこのキリ2はメスだったのでオスの様に飛んでメスを探す必要はないのでどうかいいオスに見つけて貰って繁殖を出来たらと言う思いがありました。そんな思った様にいかないかもしれません。

全ての脱皮不全において軽度のものであれば次の脱皮で再生可能でありますが、それはあくまでまだ脱皮を控えているカマキリだけで羽化をしてしまったらもう再生のチャンスはないと言うのは覚えておきましょう。

だからこそカマキリの飼育を始めたからには脱皮のタイミングをしっかり観察して把握して羽化をする時に備えておきましょう。

欠損の原因として脱皮不全の他にコオロギなど獰猛な本来餌である他の虫に害を加えられて、と言う場合もあるようです。くれぐれも餌を入れすぎないようにしましょう。




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