カマキリに与える餌の種類とそれぞれの特性
前の項目でも触れましたが、餌をあげるペースは2日に一度コオロギ1匹とよく言われています。
ですが与える餌は必ずしもコオロギとは限らないですよね?コオロギでも初齢から成虫までサイズ様々ですよね?
だからこそこのよく言われるペースもあげる餌の種類や大きさによっても違ってくると思います。
ただひとつ言えるのはカマキリの食べ物の量を調節するには小さめの餌を確保しておくと便利です。追加での微調整がきくからです。ではカマキリの餌にはどんなものがいるのか参考までに見ていきましょう。
ひとつの餌に偏らずバリエーション豊かにいきましょう。
【ミルワーム:オススメ度★★★☆☆】
別名チャイロコメノゴミムシダマシ、バードワームのミルワームさんです。
すごく使えるのは幼虫と蛹!
ミルワームも昆虫なので幼虫から蛹になり成虫になるのですが基本お店で扱っているのは幼虫の状態がメインかと思います。
置き餌として優秀なのがミルワームの幼虫です。通常飼育ケースに用いられるプラスチックなどの様なつるつるの壁をミルワームの場合は登れないので、脱皮や羽化を近い日に控えたカマキリの邪魔をしない状態でケースの中に設置しておけます。
こちらは通常のバッタやコオロギなんかより腹持ちがいいのでお腹いっぱいの量分ミルワームをあげたのなら暫くお腹パンパンです。高カロリーな餌になるので要するに消化に悪いのです。
長持ちするので旅行の間なんかは間持たせにいいですが、これを常用するのはメタボカマキリって感じがしてちょっと心配ですよね。どうしても高カロリーのデメリットが引っかかります。
ミルワームは手もかからないので便利ですが与えるのはたまににした方がいいかなと個人的には思います。
本来爬虫類などの餌として売られているものですから大きな個体には良いのかもしれないですけどカマキリにとってはあんまりでしょうね。日本の自然下には存在しないものですし。ただし餌の補給がままならない時などはすごく便利な存在ではあります。冬場の冷気でもへっちゃらで仮死状態で乗り越えます。また冷蔵庫(5~10℃)で保管する事で意図的に成長を遅くする事も可能です。常温で野菜くずなんかを与えておけばあとはほっといてもどんどん育ちます。
ミルワームで気を付けたいのは顎が強いところです。
あまりカマキリのサイズよりも大きいものを与えてしまうとカマキリが手負いになってしまうかもしれないのでそこだけは気を付けてあげましょう。通常カマキリに与える餌の大きさで思っているより小さめを選ぶのがいいと思います。
もしくは勇気のある人はミルワームの顔の部分を潰して与えるか、もしくは半分に切って与えると言う荒業もあるそうです。ちょっと私は無理ですが(笑)生きて居る昆虫で直接自分で手を下して殺せるのは蚊などの害虫くらいなので(生餌与えてるのに)まぁ、半分に切ったりした場合は動かなくなってしまうので直接餌付けをしないとですしカマキリの場合はやや面倒ですね。
ミルワームとそれを捕食するカマキリ(4齢頃)
ちなみにミルワームを常温で自然と育てていくと黒い甲虫になります。これが全然かわいくないです。
茶色なのは羽化したて 好きな人は好きなのかな?
しかも甲虫はカマキリの餌にはあまりむいていません。甲虫とは言えカブトムシ程固いわけではないと思うので、一応与えてみたところ食べられたものも居ましたがあまり人気がありませんでした。やはり柔らかいバッタなどの方が丸ごといけていいのでしょうね。勿論羽の部分は食べないので残骸がまた残念な気持ちにさせられます。やはり与えたからにはしっかり食べてくれるようでないと餌の昆虫にも悪い気がしてしまうのでこういう結果は苦手です。
たくさんいると私にとっては圧巻のきもさ
あまりかわいくない成虫ですが、この成虫を育てるといい事がひとつあります。あっと言う間に繁殖するのでどんどん卵を産んでくれるのです。気づいたらマットの中にものすっごい小さなミルワームの赤ちゃんがびっしりになります。この赤ちゃんのミルワームであれば3齢程度から与える事も可能になるかと思います。餌が足りない時はとても重宝します。
これが市販ではなかなか手に入りにくいサイズになるので次世代のカマキリの為に育てていくとゆくゆく重宝します。私も初代カマキリの時にペットショップで購入したミルワームの子供たちをとっておいて繁殖させて二代目にあげていました。そして更に3代目のミルワームを飼育中です。
※2018年度再びミルワームを追加で購入したのですがこちらはなぜだか黒い虫にならないまま消費をしていってます。どうやら以前購入したミルワームはかなりお育ちのものだったみたいですね。だからすぐに成虫になってしまったような気がします。
下の動画は実際にミルワームを捕食する我が家のオオカマキリのキリ4の姿です。
ちなみにミルワームの場合は完全変態となるので蛹を経て成虫になりますがこの蛹も使えるのです。
こちらがミルワームの蛹の写真になるのですがまるで宇宙生命体の様なロボットの様ななんともおもしろい姿をしていますよね!最初はキモチワルイとしか思えなかったんですけど今となってはミルワームの成長過程で一番この時が私は好きですね(笑)慣れって怖い。
こちらの蛹の何が使えるかと言うと脱皮不全を起こしたカマキリなど、体の自由がきかないカマキリに直餌するのに使えるのです。蛹の状態なのでカマキリを襲う心配は皆無です。そこがとても好都合なのです。それでいて高カロリーなのでカマキリの腹持ちも良く、十分に餌をほおばる力がなくなってしまったカマキリでも1口2口でかなりすきっ腹が充填されるものと思われます。
一度弱ってしまったカマキリはなかなか完全復活をするパターンは少ないわけですが、それでもせっかく生まれて来たからにはお腹いっぱい餌を食べてお亡くなりになってほしいと思うのでこちらも与えています。
脱皮不全については脱皮&羽化攻略法をご覧下さい。
通販はこちら↓
(生餌)ミルワーム 1カップ分
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【ハニーワーム:オススメ度★☆☆☆☆】
説明が狂気じみている
ミルワームとほぼ同等で扱われる存在でハニーワームもいます。
同等と言うのはあくまで爬虫類など、こういったワーム系をメインに食事にする生き物を飼育している界隈での話ですが。爬虫類のお店に行くと同じ棚で売っています。まぁ生餌コーナーなので当然でしょうが(笑)
分かりにくいですがこの中にうじゃうじゃいます
どういった昆虫なのかと言うと分かりやすく言えば蜂蜜を食べてぶくぶく太った蛾の幼虫です。(確か)
ミルワームと同じく高カロリー高たんぱくとなるのであまりカマキリ向きの餌ではないように思われますが爬虫類の餌として人気が高いので手に入りやすい存在ではあります。困った時は使えなくもないでしょう。しかしミルワームと違って何よりも困る特徴が彼らはプラスチックを食べるんです。
そうなると生半可な飼育ケースではどこからともなく逃げられてしまいます。おまけにこんなにムチムチしたバディなのに結構な高速で壁まで登ります。となると天井も素材によっては下手したら食べられますね。しかしプラスチックを食べる生き物って珍しいですよね。ミルワーム以上に顎が強いんでしょうか。
私は夜中にパリパリ音がするので何かと思ったらハニーワームの幼虫が飼育ケースの蓋にしていたハエ除けフィルムを食べている音でした。怖くなってクッキーの缶で蓋をしていたら大丈夫になりましたがあれは怖かったです(笑)どうやら缶とアクリルケースは食べない様ですが我が家で扱うのはもう無理です!恐怖です!(笑)
ちなみに繭なし加工タイプとそうでないタイプがある様です。気になる方はお調下さい(よくわからないので)
ハニーワームでミルワームと違って良いところは繭を経て蛾になるのです。
ミルワームの成虫は我が家のカマキリにはウケが悪くほぼカマキリも無視に近い感じだったのですがハニーワームの成虫は間違いなく捕まえてました。しかし食べるところはかなり少なそうでした。
自然の中から餌を確保してくる時でも蝶や蛾などは飛ぶので捕まえにくいですよね。けど飛ぶ虫も餌として与えたいとなった時に思いついたのがハニーワームの飼育でした。
しかし天井の不織布やハエ除けフィルムを食べられながらもやっと念願かなって蛾になった時に思ったのが蛾になっても顎が強い。
捕まえる時にちょっと噛まれます。やや痛いです。
カマキリに与えるとしたらサイズ的に6齢は過ぎてからがいいかもしれません。そうでないとカマキリが手負いになる可能性もあるので。成虫が近くなったカマキリにはちょっと小さめな餌になるのですが餌の偏りが気になる時に気分転換にはいいかと思います。
また捕まえる時に高確率で部屋に飛んでしまいます(動きが早くて読めない)があまり高く長く飛ばないので捕まえる事が出来ると思います。一応虫取り網を用意しておくといいでしょう。まぁそこまでして飼育をする価値のある餌ではない様な気はしてしまいます。
ちなみに私が育てた限りですが鱗粉が黒いものと白いものがいてつかむとかなりべったり指につきます。洗えば取れますが気になる方は使い捨ての手袋などを使用するといいでしょう。(心なしか痒くなるし)
・プラ素材を突き破るので飼育が困難
・蛾になっても顎が強い
・鱗粉がすごい
以上の事からしてカマキリの餌としては不向きに思えます。それどころか爬虫類の餌にしても扱いが相当困難な気がしますね。
ただミルワームと同様でハニーワームも冷蔵庫(5~10℃)などで保管しておけばあまり活動をしなくなるらしいのでそれが可能であれば保管に問題ないかもしれません。ただ活動をしなくなるレベルがどの程度で信ぴょう性があるのか知らないので、冷蔵庫の中でケースのプラスチックを食い破って逃げた日には最悪でしょうね(笑)
【ショウジョウバエ:オススメ度★★★★★】
トリニドショウジョウバエの飼育カップ
トリニドショウジョウバエとそれより一回り小さいキイロショウジョウバエが市販のショウジョウバエのメインの2種になるかと思います。これらを購入する時は昆虫専門店ホビー倶楽部さんを利用させていただいています。しっかりとした梱包で生きのいいショウジョウバエを冬でもしっかり届けて下さるので真冬の孵化の際にはかなりお世話になりました。
繁殖済み【お徳用】・キイロショウジョウバエ【ウィングレス・両生類・肉食昆虫の餌】
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ウイングレス・・・翅がないバージョン
フライトレス・・・翅があるけど飛ばない仕様
と言う意味です。
繁殖済み・トリニドショウジョウバエ【フライトレス・両生類・肉食昆虫の餌】
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飛ばないショウジョウバエは大体最低3齢程度のカマキリまではフル活用出来ます。これさえあれば安心な一品で3齢程度までの小さいカマキリを飼育する方には絶対オススメします。サイズ的に2,3mm程度しかなく、アブラムシと同じ扱いかと思われます。
トリニドショウジョウバエ程度=2,3mmのサイズの餌があれば餌の量のちょっと追加での調節が出来ます。
脱皮の予感がしたのになかなかしない場合もまだ食べるかな?って事で試しに入れる用に幼齢の頃はトリニドは便利です。動きがアブラムシよりいいのでカマキリも見つけやすそうです。
狂暴さもないし柔らかい虫なのでカマキリの脱皮の邪魔にもなりにくいと思います。
我が家は動きが悪くなったカマキリが脱皮をするかもと1日待ってもまだする様子が見られない時は試しトリニドで3匹くらい投入します。
するとまだ食べたりするんですよね。脱皮をする確信が持てない内はただ餌待ちをしてじっとしてる場合もあるようです。それがはっきり分からない内はカマキリは脱皮の際に体力を必要とする為蓄えをしておかないとですから餌は与えておきたいタイミングです。こんな時にトリニドは便利です。
翅有を購入しても羽自体はカマキリは基本食べないのでいらないものでもあるのですが羽がある事でピンセットで1匹ずつ捕まえたりがしやすいのでこちらを選んでいます。それに羽があった方が気持ちカマキリも見つけやすい気がします。ただ羽は大概残すのでケースの汚れやすさは羽ありの方があるかもしれません。なしなら丸ごと食べれるので。ここらへんは好みでしょうかね。
キイロはトリニドより小さく動きが早いです。要するに扱いにくいです。
我が家でオオカマキリにキイロを使用したのはほぼ初齢の時のみでした。ハラビロなど体が小さなカマキリには必須になるかとは思われますがオオカマキリは初齢からトリニドを食べれるかと思います。カマキリがトリニドを怖がって食べない!などのトラブルが心配な場合はトリニドより小さいキイロの方がカマキリも怖がらないので念のため買っておいて損はないかと思いますけどね。
ちなみに培養もキイロよりトリニドの方が周期が早いそうです。私はどうしてもぶわーっと出て来そうで蓋を丸ごと開ける勇気が出ないので届いたケースのまま使用しています。その為かいつも培養には失敗してしまいますが培養する事で切らした度に買うより餌代の節約にもなるので興味がある方は是非増やしてみて下さい。ショウジョウバエ達もその方が命の無駄がなくて喜ぶでしょう。
ショウジョウバエについては冬場に卵が孵化してしまい野外でアブラムシを捕獲出来ない時には必須とも言える餌になると思います。
気を付けたいのがショウジョウバエの脱走です。小ささ故にありとあらゆる隙間から脱走します。ここだけは気をつけましょう。帰宅したら部屋の床がショウジョウバエだらけだった経験があります(笑)
ちなみにショウジョウバエは自然下と言うか生活下でも捕獲を出来ます。
捕獲と言うよりもわかせると言うのでしょうか。例えば家の中でもどこでもバナナを数日放置したらすぐにショウジョウバエがたかってくるでしょう。どこからともなくやってきてどんどん増えます。しかしちょっと不衛生な気がしてしまう召喚の仕方になってしまいますね。それに野生?のショウジョウバエは飛びますから扱いがちょっと大変です。だからこそここは餌用のものを購入する事をオススメします。
餌用のものだと肉厚さが違うのでカマキリのお腹のたしにしっかりなってくれます。特にトリニドショウジョウバエは野生?のショウジョウバエより少し大きいのでオススメですよ。
※2018年度
ショウジョウバエもたくさん買うとバカにならない値段になってしまうので今年はついに繁殖へと踏み切りました。
ペットボトルにマッシュポテトの素を入れて培養地に、たまたまあったスキムミルクも追加してみました。マッシュポテトが膨らむだけ水を追加して足場を入れてショウジョウバエを数匹追加します。
蓋はちょっと空気が通る程度に。排水溝ネットと木綿の布を被せて輪ゴムで止めています。
最初は失敗したかな?と思ったのですがうまい事増えてくれたようで1週間程経過した頃でしょうか。蛆が湧いてきてくれました。
そしてこの様にどんどん蛹になり羽化してカマキリの餌に。
私は2リットルのペットボトルで増やしましたからかなりの量になりました。小さい入れ物でも大丈夫なようです。マッシュポテトはボトルの底から2~3cm程度入れて膨らませました。
写真を見るとマッシュポテト多かったかな?wとも思いますwww
蛆が湧いてきたらあとはほったらかしで大丈夫。どんどん増えてくれます。何世代かはもってくれるかと。もう1つ培養しようとしたのですが蓋を開けたまま放置をしていたらカビてしまったのでそのまま捨てました。カビがわくのは蠅の場合ちょっとよろしくないかなーと自己判断ですが。
たくさんのカマキリを飼育する場合はとてもショウジョウバエは1カップの購入では回り切りません。培養をオススメします。私は今年は途中から培養を始めたので結局6カップ買う事になってしまいました…コオロギと合わせて破産するのではないかと思いましたw
【羽虫:オススメ度★★☆☆☆】入手先=自然下
幼齢のカマキリ向きの餌になります。餌が足りないそんな時。結構そこら中を羽虫なんて飛んでますよね?冬でも室内ならたまに見かけるレベルで。しかしこういった小さな羽虫をカマキリに与える為に生きたまま捕まえるのは至難の業ではないでしょうか?
ここで試したい方法が草むらなどの上をかすめる様に補注網ですくうんです。羽虫が生息していればこの方法で捕まえる事が出来るでしょう。
しかし大量に、ならわかるのですが1匹2匹、勿論その1匹2匹もカマキリにとっては貴重な餌となるのですがそれだけの為にとれるかもわからないで網を振り回すよりはやはり市販のショウジョウバエを購入した方が楽かなとは思います。幼齢の赤ちゃんカマキリを飼育中の方はいざと言う時の方法として覚えておきましょう。
【アブラムシ:オススメ度★★☆☆☆】
こちらは赤ちゃんカマキリの餌としてよく言われるナンバーワンではないでしょうか?実際に我が家の初代カマキリにはアブラムシを与えて育てました。
しかしなぜあまりオススメではないかと言うとあまり動かないからです。
それでいて脱走名人です。繁殖も個体1匹いればどんどんするので知らぬ間に赤ちゃんが増えて蓋の隙間から逃げまくり部屋中アブラムシまみれの地獄絵図になります。しかも生息地の環境が良くないと勝手に翅を生やす進化を遂げます。本当すごい生き物なので餌ついでに観察をすると楽しいかもしれません(笑)
アブラムシでも見ていると種類がたくさんあって名前がよくわからないのですが一番主流と思われる黄緑色をしたアブラムシは結構活動的なのでオススメ出来ます。しかし赤いアブラムシと黒いアブラムシはほぼ動かないのでオススメ出来ません。しかも黒いでっかいアブラムシはかなり狂暴でカマキリに噛みつく?様な気がします。
アブラムシの違いはついている植物の違いなのでしょうか?種類によって割と生息域を分けている気がするので黄緑色をしたアブラムシがたくさんついている植物を見つけたのならそちらは持ち帰るといいかと思います。
あと灰色っぽい翅?を持ったアブラムシの様なダニのようなのもいるのですがそちらは全く動かないのでカマキリの餌としてあてになりません。連れて帰って来ても無駄死にさせてしまうのも悪いので持ち帰らない方がいいでしょう。
カマキリの餌はあくまで動きがないと意味がないのでその点でアブラムシはショウジョウバエより餌として劣ると思っています。しかしショウジョウバエをメインとして追加の餌として補助的な意味では様々な栄養素をカマキリにとらせたいと思うのでいいかもしれません。