カマキリは餌だけじゃダメ!水も絶対与えて!
こちらではカマキリが生きていくのに重要な役割を果たす餌と水分についてみていきたいと思います。
まずは3つのポイントをあげてみましょう。
1、出来る限り生餌を与える
2、あげすぎ厳禁
3、水分は切らさない
これに基づいて解説をしていきたいと思います。
充実した食生活を
餌の与え方
頻度は2日に一度コオロギ1匹がよく言うペースですがそうとも限らないのでこれは目安として考えていきましょう。その他の事も交えてカマキリを育てていく上でとても大切な餌について色々紹介していきたいと思います。
他の項目にもいくつか書いていますがカマキリの餌は基本生餌です。
生餌とは言わずと知れた生きた昆虫や動物の事。とは言えあまり動かない昆虫は避けましょう。生きているだけではダメです。カマキリは動くものに反応します。動かないものは餌と認識しないんです。またサイズに合うものでないと怖がって威嚇したり逃げ出すのみで食べてくれませんから、カマキリの鎌で掴めそうなサイズのものを選んであげましょう。
【餌の種類はバリエーション豊かに与えると吉?!】
生餌も種類が様々です。種類については餌と水分2【餌の種類と特性】で詳しく紹介をしていますが一つの種類の餌(虫)に偏らず様々な種類をバリエーション豊かに与えてあげるのが良いと思われます。
カマキリが特定の餌を食べ続けて飽きる、と言うわけでもない様な気がするのですが餌の虫も個性豊かです。各々持っている栄養素も違うと思います。人間だっていろんな栄養素をとった方がいいわけですからきっとカマキリもそうなのではないでしょうか?
非常にふんわりした「予測」の様な話になってしまっていますがこの話には理由があります。
実際我が家で2017年度に自然下から捕獲して来た様々な昆虫を餌にしたカマキリと2018年度市販のイエコオロギをメイン(大量飼育をした為餌の調達が間に合わず)で育てたカマキリとでは成虫になった時のサイズ感に差出ました。個体差やオスメスの違いでたまたま、と言うのもあるかもしれないですが2018年度の市販のイエコオロギに餌が偏ったカマキリの方が小さく育ってしまったのです。
小さく育つ事はカマキリが自然の中で暮らしていく上で不利になります。
勿論、飼育下でずっと面倒を見れるのなら問題ないかと思いますが私の飼育の仕方は成虫になったら自然下に返す様にしているのでここはかなり心配要素です。
サイズだけではなく見るだけでは分からない部分、カマキリ本体の体の強さや繁殖活動をしたその結果の後世の状況などにも問題が出てくるのではないかとも思ってしまいます。
少しでも心配要素は少なくしたいのでこの経験から餌のバリエーションは豊かであるべきだと考えているので頭の片隅に留めておいていただけるとありがたいです。
【餌をあげたからって安心しないで!しっかり食べているか確認しよう】
トリニドショウジョウバエを食べる3齢?幼虫(わかりにくい)
細かい事を言えば生餌をしっかり捕まえて食べているからといって安心出来ません。カマキリは餌のお腹の柔らかい部分のみしか食べない事があります。こうなると与えている餌の量と実際カマキリが口にしている量の差が出来ます。餌を与えた後のケースの床の食べカスもよくチェックしておきましょう。食べている途中で餌を落してしまっていたりすると動かなくなったそれはもう食べません。また時には餌がカマキリに捕まるより前に死んでしまったりもします。動かない餌には反応しないのでこれも食べません。ちなみに蝶などの羽の部分は基本残すのでこちらは量として計算に入れない方が賢明です。
餌が足りているかチェックする為や、どのくらいのサイズや量を与えたらいいかチェックする為に見る場所で一番わかりやすいのがカマキリのお腹のサイズです。ここと同じくらいのサイズの餌ならしっかりお腹におさまりますよね。
ここがへなへなしなびた様子だとかなり空腹になります。お腹が満たされると張ってくるせいもあり艶やかな感じになります。
ただし私が観察をしていったところ、脱皮前はお腹が違う意味で膨れてきます。正しく言うと腹側ではなく背中側が盛り上がって来ます。脱皮の際は背中から割れて新しい体が出てくるせいでしょう。腹部全体を見て膨れているから餌は足りていると認識するのではなく必ず腹側をチェックしてあげて下さい。
腹部の状態の見分け方はこれでバッチリ☆カマキリの腹具合で図説しています。
背中はもりもりでも腹部がペタンコだと脱皮が近いのに空腹状態と言う事になります。このまま脱皮をしたのなら空腹のため体力不足で脱皮途中で力尽きてしまうかもしれません。よく見てあげましょう。
飼育し始めはさすがにこれを見分けるのは難しいかもしれませんがよく観察をする事で徐々にわかってくるはずです。初心者さんは難しく考えず最初はよく言う2日に一度コオロギ1匹のペースに沿って餌付けをして様子をみて調節していきましょう。
これからご飯な通常サイズのお腹(みえにくい)
足りてないのに減らす必要もないですがカマキリは食べすぎるとお腹がパンクしてしまうのでやや少な目であるのは良い事でもあります。カマキリの死因の一つに餌のあげすぎと言う項目があるくらいなので注意しましょう。自然界ではそこまでなかなかお腹いっぱい餌にありつけないでしょうから腹八分目、むしろ空腹状態があってこそ自然に近い状態で飼育をしていけるのではないでしょうか。
他の生き物でも飼育下での死亡原因のひとつに餌のあげすぎと言うのはよくある話です。
捕食する姿はとてもかっこいいし飼育者の親心としてはカマキリのためにどんどんあげたくなってしまいますが餌のあげすぎにはくれぐれも気を付けましょう。
水の与え方
餌の量は程よく調整が必要と言う事になりますが水分だけは切らしてはいけません。餌は与えなくても霧吹きや脱脂綿の交換はしっかり行いましょう。
とくに幼齢のカマキリ、初齢なんかは特に水分を必要としている様で水を飲んでいる姿をよく見かけます。私の憶測が入りますが、カマキリは脱皮をする際に体液をいきわたらせて体を大きくしていっている様ですから水分をかなり必要とするのではないでしょうか。
しかし幼齢のカマキリはまだ体が小さいので僅かな水滴で溺れてしまったりもします。
霧吹きをした水滴にうまく口をつけて水を飲んでいる姿も見かけますが、霧吹きだとそもそもケース内が蒸れやすくなるのでカマキリが小さい内は脱脂綿での水分補給方法の方が無難かと思われます。
ここで更に気を付けたいのが脱脂綿の下敷きになるパターン。
ケースを傾けたついでに脱脂綿が転がって小さなカマキリが下敷きになるのです。これは完全に飼育者の不注意であり人為的な問題になりますからよく気を付けてあげましょう。とは言えすぐに気づいて助けてあげれば問題ないと思います。脱脂綿も丸いものなど様々な形状があると思いますがスタンダードな平たいタイプのものを床面に敷く様な形の方が設置の仕方として安全かもしれません。我が家の場合は平たい脱脂綿を4つに切って幼齢カマキリに一切れずつ入れています。ちなみに脱脂綿でなくティッシュなどでも代用はきくし低コストな気がしますが脱脂綿より水分は含みにくい様子で早く乾く感じはあります。
水分をとる7齢カマキリこの大きさにもなれば霧吹きで溺れる心配はなさそうですね
初齢~3齢程度までは本当に蚊の様に弱弱しいので水分を与える際は脚を取られる様な水滴などがないかチェックしましょう。
餌の量と脱皮の関係
餌の量が多いと脱皮の周期も早くなると言われています。餌が少ないと逆に脱皮も遅れるのかもしれないですね。照らし合わせた事はないですけど一理ある気はします。
脱皮をするにはとても体力がいるし大きくなる為には水分を新しいサイズの体に送り込む事が出来ないとなりません。蓄えがないと無理な仕事なのでしょう。
かといって人間の都合で餌を変に増やしたり減らしたりはおすすめ出来ません。失敗したら命取りです。人間の都合ではなくカマキリの都合、そして自然な成長過程をサポートしていけるようにしましょう。
しかしこの傾向をうまく活用出来るケースもあります。それはカマキリが体のパーツを欠損している場合=脱皮不全や手負いの状況です。脱皮不全も様々ですが体のパーツを欠損した場合は次の脱皮でそのパーツを大概が修復出来る様になっているので出来る事なら早めに脱皮を促して早めにパーツの補足をしてあげたいですよね。
こういった場合のみは餌の量を調整してうまく穴埋めをしていってあげるといいかもしれません。
全てはカマキリの為になるかどうかが判断基準であるといいと思います。
脱皮不全など脱皮について詳しくは脱皮&羽化攻略法へ
餌のタイミング
餌が十分な場合が多いので飼育下では脱皮の周期は自然下よりも早いと言われています。自分で取らないでも必要な量をせっせと飼育者が運んでくるんだから当然でしょう。いつ脱皮しても大丈夫なように餌のタイミングも考えてあげる必要があります。
餌のコオロギとカマキリ(キリ6)
↑同日の夜に羽化をしたカマキリの昼間の写真です。
じっとしてから大分たったけどなかなか羽化をしないので心配になり、まだ餌を食べるかなとコオロギを試しに入れてみました。物凄く邪魔そうにしてますね(笑)
じーっと見るだけだったり足蹴にしたりしてる様子は見てる分には笑えますが、カマキリにとっては死活問題です。カマキリが脱皮や羽化の態勢に入ったのにコオロギがぴょんぴょんしてたら邪魔でしかないですし、コオロギは肉食性が強い生き物なので脱皮や羽化態勢に入った無防備なカマキリを襲う可能性があります。危険なのでこの後取り除き他のカマキリの餌となって貰いました。
このように脱皮や羽化の態勢になってしまえばカマキリは餌を食べなくなります。普段はそこで捕まえるでしょ!ってタイミングでもじーっとしているようになります。こうなったら邪魔になりそうな餌は取り出しておきましょう。
しかしまだ食べるかも?お腹もへこんでいるしちょっと心配自信ないって時は置き餌となるものを入れておくといいでしょう。
置き餌=壁を登らない餌です。
つまりはカマキリの脱皮の邪魔にならない餌です。
我が家の場合ミルワームを活用しています。おかずカップに入れておけばそこから出る事もないのでカマキリの脱皮や羽化の邪魔にもならず、まだお腹がすいてる様なら食べてくれます。カマキリの成長のタイミングを見て餌の種類を変えてやると言うのもカマキリの為にちょっとしたコツだと思います。
もっと詳しく餌と水分について知りたい方は
餌と水分2【餌の種類と特性】へ