カマキリの脱皮の周期は?
餌の量が多いと早い周期で脱皮をすると言われています。
通常は2週間程度が脱皮の周期と言われていますが、餌が豊富だと1週間程度で行われるようになったりします。
実際私が飼育したカマキリの脱皮の周期を表にしたものがありますので根気のある方はこちらの項目をご覧下さい。(※リンク先工事中です)
我が家は餌が足りているのか心配になってお腹の大きさを見ながら若干多めに餌を与えていたので結果1週間程度で脱皮のパターンが多く結構脱皮が早く感じてなかなか忙しい事が多いです。こうは言っても脱皮の周期を調節する為にむやみに餌を増やしたり減らしたりはおすすめしません。
カマキリに物凄く詳しい人ならその調節もうまく出来るのかもしれませんが私レベルではそこまで踏み込んだ事は行えません。もしその中途半端な知識からの調節でカマキリが脱皮を失敗する方向になったのならカマキリに申し訳なさすぎます。
ただし餌の調節に関して我が家で若干試した事がある例を言うのなら脱皮不全を起こしたカマキリやハラオレ状態のカマキリへの対応です。なぜならこちらは次の脱皮でハンデを負った部分を再生出来る可能性が高いのでこちらはどちらも餌を少し多めにあげて脱皮を促します。しかしこれも「少し」ですから大幅な餌の量の調節はやはりどんな事態でも避けるべきでしょう。
ここのところを十分に理解して餌を与えていきましょう。
あくまでよくよく言われている二日に一度コオロギ1匹程度を目安にカマキリが調子を狂わせないようにしっかり与えてあげましょう。(※我が家では二日開けず毎日やや小さめの餌を足す感じにしています)
カマキリの脱皮の回数は?
カマキリは脱皮をする度に齢が繰り上がっていきます。
「齢」については「令」と表記をしているサイトさんもありますが当サイトでは基本「齢」で統一しています。この表現の違いがどういった意図があるのかはちょっと私には分かりませんのでお調べ下さい(笑)
オスは6齢程度まで、メスは8齢程度まで脱皮を繰り返し羽化して終齢=成虫となるのが一般的に言われている脱皮の回数になりますがこれに限らないと思っていた方が賢明です。
たまに回数を言い切っている様な記述も見受けられますがカマキリの脱皮の回数についてはかなりの個体差がありますので参考程度までに覚えておきましょう。大体の目安にはなっていくと思います。
ちなみに我が家では最高脱皮回数はメスオオカマキリで8回となりました。またこの回数は種類によっても差があります。オオカマキリと比較して私が飼育経験のあるハラビロカマキリとチョウセンカマキリは全体的に脱皮~羽化の回数が少なく感じました。サイズが関係しているんでしょうかねぇ?
カマキリが脱皮を繰り返し羽化に近づいているかを判断するには羽の元になる部分が育ってきたかどうかでわかります。この部分の事を翅芽(しが)と呼びます。
こちら終齢前齢の翅芽が目立つカマキリ。翅芽の存在がまだ薄いですが
羽化が近づくにつれてこうして肉厚バッキバキになっていきます。
2019/08/07 コカマキリ
こちらはコカマキリになりますがオオカマキリとほぼ形などは同じカマキリです。こちらは2日後に羽化をしたのですがもう翅芽がぶっくぶくですね。
まず腹部背面上部、羽の生えてくる部分である根本に小さな羽のモトが見え始めます。この部分がどんどん厚みを持って広がりを見せるかの様に成長をして来たら羽化が近いと思っていいでしょう。目視で翅芽をはっきり確認出来る様になってすぐには羽化となりません。小さな翅芽が伸びて来てから2度くらい脱皮をしてやっと羽化と言うのが私が飼育をしてきた流れです。大体5齢過ぎた頃から名前の通り芽の様に小さい羽が確認できます。飛べる程立派な羽になるにはいくつもの工程を乗り越えてやっとと言う感じですよね。
羽が生える前に存分に手乗りカマキリを楽しんでおくといいです。羽が生えたら手に乗せてても飛んでいってしまいますからね。私も羽化してから手乗りをしてたら顔に飛ばれました。鎌がチクッと痛いので気を付けましょう。羽化までしっかり育ってくれればその程度は問題なしに感慨深く思えますけど。
羽化後も手乗り褐色個体の成虫
孵化の時点で脱皮をしてるのでその時点で一齢、その次脱皮をしたら二齢、その後三齢と続いていき何度も脱皮を繰り返し最終的に羽化をしてカマキリは成虫となります。孵化から育てると羽化に成功した時は本当に感無量です。
脱皮以上に羽化は体力を使うと思われます。何といっても今までと違って飛べる羽が生えますから。脱皮よりも工程が長いのです。脱皮は脱皮だけで体を抜ききってしまえば終わりですが、羽化は体を抜ききった後に更に翅を伸ばし更に翅を乾かし畳む作業をしないとなりません。
しかし幼齢からの飼育をして来たのならこの時点で何度も脱皮に携わって来た飼育者さんなんだからきっと大丈夫。勿論羽化直前のカマキリを捕まえて来ていきなり脱皮を飛び越えて羽化を見守る貴方もポイントを掴めば羽化前のサポートをしてあげられます。
3齢カマキリ
ところで次の脱皮で羽化するかしないかって見分けるのがなかなか難しいですよね。
翅芽が存在するようになってもう2回くらい脱皮をしてるしかなり目立ってきたし成虫のサイズとしてオスは6~7cmメスは8~10cmの目安に近づいて来たし脱皮の回数もよく言う6回以上を更新してるし次の脱皮で大体1cm近くは伸びると予測しつつ次羽化かな?と思いドキドキしててもまだだったなんて経験があります。
こればっかりは個体差もあるので明確にこうなったら次は羽化、と言うポイントを私は発見出来てないのですが、過去の脱皮の回数を把握する事も羽化への準備で大事なチェック項目になるので何度脱皮して今何齢かが分からなくならならないように脱皮のぬけがらを保存しておくといいでしょう。孵化から何度か脱皮をしたカマキリを途中から飼育していたとしても一般的に言われる齢によるサイズと比較をすれば大体の齢が分かり目安になるかと思います。ここは必ずチェックをしていつ羽化の工程に入っても大丈夫なようにしておきましょう。
脱皮ぬけがらコレクション用ケース。100均で手に入ります。
5齢以降はこれに収まりきらなくなってくるので仕切りの大き目な違うケースで保存をしています。マステで名前を張って一列ずつ比較
ぬけがらコレクションも数匹を飼育していた頃はまだ良かったですが大量飼育を経てみるとさすがに保存に困り始めました(笑)
カマキリ自体の寿命はなかなかに短いですし死んでしまってからも標本にはあまりむきません。最終的に残るのは思い出とぬけがらのみです。とても大切な宝物になります。その他も飼育をしていたバッタなんかのぬけがらもとっておいています。脱皮した順番に何個も並べてみてみるとこんな小さいのがこんなに大きくなったのかと成長の具合が分かって感慨ですよ。
(※2019年、ぬけがらがあまりにもたくさんになってしまったので処分する傾向になっていってしまってますw初代などのは残してありますが、新しいのはどんどん処分してます。さすがに多すぎてw)
ちなみに私が見たところ褐色個体のぬけがらは緑色個体のぬけがらに比べて黒っぽいです。本体の色によってぬけがらの色も左右されるものなのでしょう。こんなところも比較してみるとおもしろいでしょう。
2019/08/09 尻曲がりさんの抜け殻 不全で脚が一時ありませんでしたが脱皮を繰り返して無事治りました。尻は相変わらず曲がっていますがw
2019/08/09 こちらはコカマキリの抜け殻 コカマキリの特徴の鎌の模様がはっきり残っています。
一般的に脱皮の回数は決まって6回などといった記述もありますが実際飼育をしてみたところここに決まりはないようでした。
脱皮の回数が多い方がおそらくカマキリの体は大きく成長します。脱皮をするたびにカマキリは大きくなりますからね。羽化で打ち止め!と言う感じなのでそれまでどんどん大きくなっていきます。ただそこに回数制限があるのかどうかは分かりません。最高何度脱皮をするカマキリがいるんでしょう。謎があって奥が深いです。100回くらい脱皮して巨大カマキリが生まれたらわんちゃんみたいに散歩出来るでしょうか。鎌はロブスターの様に拘束して閉じておかないと危険ですね。まぁそこまでいくのは現時点で居ないと思いますので最高でもおおざっぱに四捨五入すると10回以内といったところでしょうか。私は10回は目撃した事がさすがにないですけど(笑)
餌の量で脱皮の早さが変わるのは信憑性のある話ですが要するに餌が足りている分、体も大きく成長して早く脱皮をする段階まで辿りつけるのかもしれませんね。あくまで私の予測の範囲でここらへんもカマキリの情報は曖昧なところが多いですが。 脱皮の回数はオスかメスかでも変わって来ると言うのが私の経験上の見解です。
一般的に6回程度脱皮をするオスよりメスの方が2回程多く8回程度脱皮をします。しかしこれも飼育をして来た上での認知なので必ずしもそうとは限らないかもしれません。実際回数が変わらないオスメスも居ましたが数え間違いかもしれないし…一般的にもそうは言われています。
そもそもオスの方が体が小さい状態で成虫になるので回数が違ってきて当たり前と言えば当たり前なのかもしれませんね。
かといってメスの方が遅く成虫になるわけではなくメスの方が早い周期で脱皮をしていってる様にオスメスで飼育していた時は感じました。ここについても餌の量などにもよるので個体差が大きいかと思います。本当に明確な事と言うのは決まりがなく本当に個々のカマキリで全然違ってくるんだと思います。人間の子供でもいつ歩くか、歯が生えるか、比べてみるとそれぞれでかなり差があったりしますよね。それと同じ事だと思うので急ぐ気持ちを抑えながらご自分の飼育しているオンリーワンカマキリの成長をお楽しみ下さい。
褐色個体の脱皮
またオスよりメスの方が餌をたくさん食べると言う話もあります。
実際飼育をしているとそれはすごく感じます。メスの方が獰猛な感じで餌を入れると物凄い勢いで捕まえて食べます。オスは案外ほったらかしてたりもします。成虫になるとここの差は歴然でオスはメス程餌を食べません。メスは卵を産まないとならないので幼齢の時からそういった感じなのかもしれません。
ミルワームを食べるメスのカマキリの幼齢
我が家の場合オスとメスで脱皮の回数は違うのに成虫になったのは全く同じ時間帯の同じ日でした。ここまで成長が一致する事はたまたまかもしれませんが、季節など関係して実際そういう流れのものなのかなとは思います。繁殖期に合わせて成虫になれるのがベストでしょうからね。自然の中で生きている生き物はきっと敏感に環境の変化を読み取って生きているもなのでしょう。
ちなみに自然界では早めに羽化をして成虫になった者の方が有利らしいです。確かにカマキリの場合早く成虫になってしまえば他の羽化前のカマキリには負けないでしょうし羽が生えることで移動も楽々繁殖相手も広範囲探す事が出来ますね。それに外敵にも強くなるでしょう。人間にだって簡単に捕まりません。
とは言え、秋、もうカマキリ達の季節が終わる頃でも生きている小さなカマキリ成虫も見かけます。この小さな体でどうしてここまで生きれたのか?と驚くと共に、体の大きさと言うのは生きる上で有利になるかどうかの目安でしかあらず、生き残れるかどうかはそこだけに左右されるのではなくカマキリ自身の持った「運」によるんだと思います。小さな体でも大きな外敵に遭遇をしなければいいわけです。どんなに立派な大きなカマキリでも大きさ故に目立ってしまい外敵に狙われやすくなるシーンさえあるかもしれません。こう考えると本当厳しい世の中ですね。健康で有能な遺伝子を持っていても生き抜いていけるか、そのすべてを決めるのは「運」と言えるんじゃないでしょうか。
と、こんなところで話が壮大になってしまってますが(笑)
同じ種類のオオカマキリの中で、早めに成虫になると言っても通常通り4~5月の春に産まれて7~8月の夏に羽化する中での微妙な差の話になると思います。極端に早く孵化してしまっても繁殖相手も少なくまた卵を産む時期が早すぎて9~10月の暖かい日に春と勘違いして大事な子孫が孵化してしまったりします。カマキリの卵が孵化する時期は親カマキリが産卵をする時期にかかっているみたいなので早すぎも考え物ですね。
そこまで長くも生きれない昆虫ですし飼育下なら外敵の心配などはいりませんから焦らずゆっくり成長を見守ってあげましょう。