幼齢のカマキリはよく水を飲む!むしろ水必須!
幼齢のカマキリはよく水分を欲して口にしますが、初齢~3齢の時期はわずかな水滴さえ命取りになる程に小さくか弱い存在です。
水分の与え方には気を付けましょう。
カマキリと水分は切っても切れない関係(餌と水分の項目にも関連記事あり)ですがこの初齢~3齢の時期の加湿の際には霧吹きは使用しないで脱脂綿に水を含ませたものを使用する方が良いと思います。
霧吹きは不意に大きな滴が出たりもするのでこちらで小さなカマキリが脚を取られるなどしてそのまま溺れてしまう可能性があります。霧吹きの使用は4齢を越えてからにした方がいいでしょう。
【※2018年度飼育→18/05/21現在1~3齢のカマキリが居ますが脱皮不全を防ぐ為にも霧吹きをフル活用しています。ただしカマキリに直接かけない様に壁に吹き付けた上で床に垂れた分はふき取る形をとっています。水たまりが怖いのでこうして霧吹きを使う分には問題はないかとは思いますがやはり心配はあるので脱脂綿が無難ではあるでしょう。ちなみに通気性はしっかり確保して掃除を定期的にして清潔を心がけましょう。】
それから餌の虫もカマキリに合わせてとても小さいものになるので霧吹きを使用すると誤って餌の虫を死なせてしまいカマキリに餌が渡らなくなってしまうので気を付けましょう。とはいってもこれらは水分を含んだ脱脂綿に勝手にくっついて死んでしまったりもするので困ったものですが。死んでしまった餌や食べ残し残骸は早めに撤去しましょう。
【※2018年度飼育→18/05/21現在トリニドからコオロギがメインの餌付けになりました。トリニドは上に登るので基本天井方面に居ます。それ故、脱脂綿をケースの床に設置をしておいても問題ないのですがコオロギの場合はずっと床にいるので脱脂綿から染み出したわずかな水で溺れる事があります。また霧吹きをした後の水滴もしたたり床面に落ちるとこれもコオロギが溺れる事になります。またコオロギは脱脂綿に隠れがちなのでカマキリが餌を見つけにくくなってしまいます。この問題を解決すべく霧吹きをした後の余分な水分のふき取りを徹底して、更に脱脂綿を蓋の上に設置する事にしました。蓋の部分が我が家の場合排水溝ネットなのでカマキリも問題なく水分補給を出来、湿度を保つのにも一役かってくれます。ただしケースの中に脱脂綿を設置した場合よりは蓋の上に設置した場合はケース内の水分を保つ効果がやや弱くなるような気がします。この為蓋の上に脱脂綿を設置する場合には霧吹きを必ず+した方が安心かと思います。】
こう言うと水分を与えるのもなかなか慎重になってしまいがちですが脱皮の際に確実に湿度が必要なのと共に幼齢のカマキリはよく水を飲むのでしっかりと工夫して与えていかないといけないものになります。
出来るのなら毎日でも脱脂綿は取り替える方が衛生面としてもいいのですが数が多いとそうも言ってられない感じはあるので私が200匹近くの幼齢カマキリを飼育した時の給水方法としては乾き始めた脱脂綿にスポイトで給水をして再度湿らせる作業を2日程続けて新しいものに交換と言う流れを作っていました。この方法だと丸ごと脱脂綿を交換する、もしくは脱脂綿をまた水に浸して使いまわすよりも作業効率が良くなります。水加減も細かくできますしね。
「カマキリは餌から水分を補給するから敢えて水分を与える必要はない」と言う話をたまに耳にしますが絶対水を与えないとダメです。
※カマキリの水分摂取についてお問い合わせをいただきました。どこかの昆虫専門家さん?曰く「餌からのみ水分を取る」と言う飼育方法を選択する方もたくさんいるみたいです!これについては水分中に含まれる雑菌などに配慮しての理由となるそうです。ただ私は自然にいるカマキリが水を飲む事から水分を与える事推奨です。ここについてはカマキリ飼育者同士で意見が分かれる所みたいなのでお好みでどうぞ★ここに記されているのはあくまで私の飼育方法ですので気になる方は他のサイトさんも参考にしましょう♪
しっかり加湿と水分補給を心がけて毎日作業を端折る事なく世話をしましょう。
以上の事から
ポイント1、幼齢のカマキリには水分補給を欠かさない
ただ水分を与えるだけではダメ。大事なのは水加減の調整!
幼齢のカマキリを飼育するポイントのひとつが水分補給にある事が分かりました。
しかし逆に加湿しすぎの蒸れはまた大問題になるので飼育ケースの形状などをよく考えて様子見でしていきましょう。
例をあげると私の飼育ケースの場合は蓋が排水溝ネットなので通気性抜群です。だからこそ加湿が必要になります。最近ではコバエシャットアウトの空気穴の少ない飼育ケースも主流な商品として扱っているお店が多いと思いますが、こちらのケースですとそこまで加湿の手間はかからないと言うか蒸れやすい可能性があるので温度などと照らし合わせてケースバイケース(文字のまんまですね笑)で蒸れが気になる場合は霧吹きの使用はしないで脱脂綿で対応すると良いと思います。
またスポイトで給水をする時には必ず壁伝いで下に脱脂綿がある状態で行います。
ケースの素材によっては出来ないかもしれませんがこうする事で水の通り道に小さな滴が残ります。カマキリが溺れない程度の良い給水スポットになってくれます。こうしたら脱脂綿が多少汚れていても滴の方からカマキリが水分補給を出来るので新鮮な水を与える役割も果たしてくれます。
脱脂綿から水分補給をするカマキリ
スポイトで給水をする際にも脱脂綿を濡らして給水する際にも気を付けないとならないのがその周囲です。
水たまりの様になってないでしょうか?余計な水分はケースの外に流してしまうか新たな脱脂綿を追加して吸わせるなり、飼育ケースを傾けるなりして撤去しましょう。何度も繰り返しますがわずかな水滴でもカマキリは溺れる可能性が幼齢の内はあるのを忘れないようにしましょう。
わずかな心遣いが功を奏します。
また私の場合幼齢の内は使い捨てのプラスチックのコップで飼育をしていたせいもあるかもしれませんが、ケースを動かした際に脱脂綿が丸まった様な形状だとこれが転がってカマキリがその下敷きになりヒヤッとする事がありました。これを防止するには脱脂綿を底面に敷く様な形で配置するのがポイントです。
こんな感じ
敷いてしまえば転がったりしませんからね。ど真ん中ではなく片面に寄せる様な形で配置しましょう。そうしたら脇に溜まった余分な水分も傾けるだけで吸いこんでくれやすいです。
脱脂綿1パックかなりの量で100円均一などで今は購入出来ますが多くのカマキリを飼育していると結構な量を消費します。出来ればケチケチ使いたくなるのですがここは使うべきところはしっかり使用しましょう。
ちなみにティッシュなどを代用して試した事もあります。その方が節約出来るし良いかと思ったのですが脱脂綿に比べてやはりティッシュでは水分含有量が足りないのか次の日にはカラッカラに乾いてしまってました。ティッシュでもその場しのぎにはなると思われますが使用するなら脱脂綿の方が頼りになると思います。
飼育ケースがカップの様に小さい場合は脱脂綿は通常サイズを半分に切った、2分の1カットのものを使うといいです。
上段が通常サイズで下段が2分の1カットのもの
このサイズは販売してないと思うので勿論自分ではさみでカットです。
1~3齢まではこのサイズの脱脂綿でカップ飼育程度のスペース内なら加湿は足りるかと思います。ケースが大きい場合はより水分量を必要とするので逆に脱脂綿を増やすなどの調節が必要です。しかしカップ飼育でも4齢になって5齢への脱皮をする際には脱脂綿だけだと水分量的に少し不安があります。私はこのタイミングで脱皮不全がいきなり多くなってしまったので霧吹きに切り替えました。(2017年度飼育時)
4齢頃になってくるとカマキリが水滴で溺れそうな感じも見るからに少なくなっていくと思います。
あんなにか弱げだった初齢のカマキリの赤ちゃんもどんどんたくましいカマキリへと成長していってるはずです。
また4齢への脱皮の時には完全な脱皮不全こそ出なかったものの片足をぬけがらに突っ込んだまま歩き始める個体などは出る様になってしまったのでこれを考えると私の育てている環境だと3齢頃から水分量はより気を付けていかないとなのかなとは思いました。
またエアコンのきいた部屋に設置をしておくと乾燥するので2分の1カットの脱脂綿での保湿では足りなくなるかもしれません。平常時の温度や湿度の具合にもよりますが飼育部屋でのエアコンの使用は乾燥予防の為あまりオススメをしません。
場合によっては水滴が出来ない程度に遠くからふんわり霧吹きをしてあげてもいいかと思います。飼育環境は様々なので自分の飼育部屋の状況をしっかりと把握してこまめに調節してあげましょう。
しかしここにどんなに気を付けても脱皮不全はおきてしまいがちなものです。
水分量の不足だけではなく脱皮中の墜落などをしてしまうカマキリも居るので出来る限り合間合間で様子を確認してあげましょう。この事がとにかく大事です。そうしていると脱皮のタイミングをうまいこと目撃出来る場合もありますし脱皮不全を起こしたカマキリを早めに救出出来てもしかしたら致命傷は避けられるかもしれません。
脱皮不全になってしまうのはどの齢のカマキリでもとても気の毒な事ですがフォローをするのなら幼齢なら幼齢なほどにその後の脱皮の回数は多く残っているので修正の効き具合は大きくなると思います。脱皮の度に脱皮不全をした箇所の修正&再生を行っていけるのでこの頃の脚の欠損や損傷はまだ心配が少ない方だと思われます。それでも起きない方がいいに越した事はないのでしっかりサポートしていってあげましょう。
脱皮不全については脱皮&羽化攻略法で詳しく紹介しています。
5齢頃からは霧吹きの使用を必ず考えて!
上の項目でも霧吹きの使用について触れましたが、加湿やカマキリの水分補給の為に霧吹きを思い切りフル使用出来る様になるのは5齢くらいからだと思います。
4齢になった頃だとまだちょっと怖い感じがあります。個人の感覚もあるのかもしれないですが。ギリギリ4齢いけるかな?って感じだけどカマキリの生命に関わる可能性があるのでここは冒険はオススメはしません。それなら脱脂綿を半分サイズから通常のサイズに変えたり枚数を増やす方が安心かとは思います。
しかし当たり前の事なのですが4齢になりたてと5齢になる頃の4齢のカマキリでは状態が違います。
脱皮をする事で突然大きくなるイメージのあるこの手の不完全変態動物ですが、実は体の中では次の脱皮に備えて動的に準備が行われていっているものだと思います。つまりは一見同じ4齢でも4齢になってからどのくらいか、次の脱皮はいつ頃かで実際は違うのです。
要するにそのカマキリが4齢だとしても5齢への脱皮間際のカマキリであればもはや半分くらい5齢の扱いをしないといけないのです。
我が家でも4齢から5齢へ脱皮をする際に霧吹きなしでの脱皮をしたら不全を出してしまいましたが、この不全に関しても「まだ4齢だから水分量は脱脂綿で十分」とタカを括っていた事が原因であると思います。ここは違うと言うのを声を大にして言いたいと思います。
まぁ4齢から5齢の境目が他の時の脱皮と違って特別だと言うのは聞いた事がないので…私の中での感覚的な曖昧なこだわりが関係してここにスポットを当てている感じになってしまっていますが、要するに齢があがるごとに餌の量が増えるのと同じで水分というのも齢があがるごとに多く必要としていくというのを覚えておきましょう。
日々のカマキリの成長に合わせた微調整の中で「霧吹き」と言うアイテムを必要とするタイミングがこの辺り、と思っておけば大丈夫だと思います。(2018年度は早めに使用を開始しました。飼育の加減に慣れない内は5齢目安と思っておくのはいいと思います。溺れる心配がなくなると思うので)
無事成虫になるのは大変
ちなみにこの齢に適した水分の与え方の話もオオカマキリの場合を例にあげています。一回り体の小さいチョウセンカマキリやハラビロカマキリについてはまた違ってくるので気を付けましょう。
身が細く小さい分チョウセンカマキリはオオカマキリよりも水分量は必要としない気はしますがハラビロカマキリは体長は他のカマキリよりも小さめですが身が太いので水分量は多めを意識した方がいいかもしれません。
幼齢の1.2.3齢頃のハラビロは本当に小さいので脱脂綿でも水を与えるのはちょっと怖い様な感じもしますがオオカマキリやチョウセンカマキリと同様こちらも脱脂綿半分切1枚を水分ひたひたにして入れておいてあげましょう。
ただしこれは私の飼育環境に適した形がこうであるだけで乾燥した地域にお住まいであったり逆に湿気が籠りやすい部屋の作りだったりで多少違ってくると思うのでご自身の飼育環境に適した程度を考えて行いましょう。
乾燥しすぎも蒸れすぎもどちらもカマキリにはよろしくなく脱皮不全や死へ繋がってしまうので一番悩ましいところです。
ポイント2、幼齢のカマキリに与える水加減は十分に注意する