こちらの項目も変わらず閲覧注意です。見たくない人は回れ右でトップページへ戻る→
14、お尻が脱げない
背中→頭(触覚)→鎌→前足→後足→お尻、と言う様にカマキリはいつもこの順番で脱皮を行います。羽化の際にもこの経過を経て翅を広げる作業に移ります。
脱皮したてのカマキリの体はとても柔らかいのでこれを乾かして固める事が必要になります。
その際に後足まで脱皮の工程を行ったカマキリはお尻の部分だけぬけがらに残しぶら下がり脚を乾かす作業に移ります。この時間がとても長い為、見慣れない内はお尻がぬけがらから脱げなくなってしまったのではないか?と心配になる事があります。
しかしカマキリがこうしてお尻をぬけがらに残したまま動かなくなる事は脱皮の過程で当然の事なので心配はありません。
あまりないと思われますが体が乾ききってカマキリが行動を始めたのにいつまでもお尻の部分に脱皮の皮がくっついているとなるとさすがに邪魔になるのでこの場合に限り取り除きましょう。
15、天井からぶら下がると腹の付け根がポッキリ折れている(ハラオレ)
私を一番最初に悩ませたカマキリの不具合の症状がこちらの症状になりました。
こちらは脱皮や羽化の失敗のせいで起こるものではない様な気もするのですがとりあえずこの項目に含めておきたいと思います。と、言うのも脱皮や羽化を終えた後にこういった症状になるカマキリを多く目にするようになる傾向があるからです。
2017.08.10
2017.08.10
撮影角度がアレなので分かりにくいかもしれないですけど腹の部分、後ろ脚付け根の部分とその後ろがポッキリ折れてしまっています。ついでにそのダメージのせいか腹の内側に穴があいてしまっています。
私の飼育の仕方が何か問題がある故の特性なのかもしれないですが通称ハラオレの個体が出やすいのはオオカマキリでした。その次がチョウセンカマキリ、全くと言う程でないのはハラビロです。
ハラビロに至っては最初からお尻をあげているスタイルなのでハラオレへの耐性が強いのかもしれません。
ハラオレとはお腹の付け根の部分からパッキリと言っていいくらいに折れ曲がった体になってしまう事をそう呼んでいます。(勝手に呼んでいます笑)折れた先はプランプランして今にも千切れそうでヒヤヒヤします。
このハラオレが起こる原因と言うのはよく私は分かっていないのですが、体つきからして少しの事で折れてしまいそうなくらいに腹部が細く長いのがオオカマキリやチョウセンカマキリの特徴ではないでしょうか?きっと負担がかかりやすく弱い部分がこのハラオレを起こす部分なのでしょう。そもそも作り的に弱い部分。カマキリの設計ミスとまでは言えないですが弱点になりやすい部分なのかもしれません。
昨日までなんともなかったカマキリがふと見たらハラオレ個体になっているとかなり焦ります。
ハラオレは突然起こるのです!!!
初めて見た時は本当泣きそうでした。ネットで調べてもハラオレの攻略法も出て来ないしハラオレになったその後が記されていない記事ばかりでした。もうこうなったら無理だと言う記述さえありました。カマキリを飼育していた某芸能人さんのブログ?でも見かけました。こうなると「やっぱりハラオレ個体はそのまま死んでしまうの?」と不安になると思います。
けど諦めないで!!
少なくとも私が試したところ早めにケアをしてあげればハラオレが原因で死ぬ事はないかと思います。
上でも言っていますがハラオレ個体が生まれやすいのは脱皮のその後です。そして次の脱皮で完全に持ち直す個体が多いです。では次の脱皮に備えてするべき事を上げていきましょう。
<<対処法>>
1、常に満腹に近い状態にする
お腹が折れる原因として私の推測ですが空腹が考えられます。餌のサイズや量を見直すきっかけにもなります。カマキリの体内がどうなっているのかは知らないですが、空腹と言っても絶食続きなわけではなくても多少餌が足りていないと消化が進んだ食べ物がお尻の方に移動して上の部分が空いてくると思われるのでお尻が重く腹の上の方の空の部分の負担が大きくなるような気がします。
そこで上の部分を埋める為=強くする為に餌をプラスしていきます。
ちなみに餌をゲットするのは見届けてその際にカマキリの頭が上になるように=腹が折れた状態にならないように餌を食べさせましょう。折れ曲がった状態のまま餌を食べても途中で止まってしまいそうなので逆に危険に思えます。
2017.07.19 実際ハラオレに餌付けをしている様子 こうして折れた部分が伸びた状態を出来るだけ長く保ちましょう
ハラオレ個体でもカマキリ自身が力を入れた瞬間などは腹がピンと戻る個体もいます。しかしその時だけです。腹にハリが恐らく必要なのです。餌はその点手っ取り早く腹のハリを取り戻せます。
カマキリが餌を食べている時にカマキリの背中に当たる部分を日の光を当てながら見ていると透けて流れる体液を確認出来たりします。すぐにとは言いませんが餌を食べながら着々と腹の部分にその栄養?が流れていっているようです。
また、餌を多めに与える事で脱皮の周期も早くなります。ハラオレの不具合が出た個体はその他の脱皮不全、パーツの欠損を起こした個体と同じ様に早めに脱皮をさせるように餌多めを意識しましょう。ちょっとのハンディは次の脱皮で修正可能です。しかしあげすぎは厳重注意ですよ。
2、出来るだけ上にぶら下がった態勢にしないように心がける
餌を与える際のスタイルもそうですがお腹が折れたままですと負担が一部にかかりすぎなのは見て取れますし恐らく良くありません。飼育ケースの天井を好むカマキリですが飼育ケースの天井がツルツル素材で横面がネットの様につかまりやすい仕様にすると横面を定位置に選ぶと思います。もしくは先が細くなったペットボトルの様な形のケースでもいいかもしれません。とにかくカマキリが頭を腹と同列の高さ(もしくは腹以下)にしない様に気を付ける事です。
カマキリ本体のみを思った向きに固定するのは無理があるので腹が折れない角度になるようにケースを時には回転させましょう。我が家の場合通常は排水溝ネットで出来た蓋がケース上部になりますがハラオレ個体が出た場合は排水溝ネットが横面になるように位置させています。これだけでもかなり違います。
しかしそれでもまた折れた状態で逆さまに捕まったりする気が抜けないハラオレさんなのでちょくちょく様子を見て角度を変えたり工夫してあげましょう。それでもどうしてもハラオレの態勢にばかりなる場合はケースから出して腹の折れない角度で散歩をしてあげるのも良いと思います。とにかく腹が折れない状態で長くいれるようにしましょう。
2017.07.19 計測ついでにお散歩中 こちらはチョウセンカマキリ
3、日光浴
カマキリの体の強さは日光との関係が深いと勝手に思っています。人間も日光にあまり当たらないと体の中もそうですが皮膚面がなんとなく弱く感じられますね。これと同じでカマキリの皮膚と言える部分も日光を浴びていないとなんだか色も薄くひ弱な感じになってしまいます。あくまで私が感じるだけなので気休めにしかならないかもしれないですが気休めでいいから試してみましょう。日光は直射日光ではなく気持ち良い感じに日当たりの良い程度で。
私が見る限りハラオレになりやすいのは4-7齢程度の頃でした。小さい頃は体の比率に比べて腹部のサイズもそこまで負担になるレベルではないですし大きくなれば体もしっかりしてくるので折れる様な弱さにはならない様な気がします。
我が家のハラオレは無事その後の脱皮で持ち直し成虫になった個体もたくさんいます。
本格的な脱皮不全となるとどうしようもないですがハラオレくらいで諦めてはいけません。
ここが正念場ですよ。
16、腹の一部に穴があいてしまっている
ハラオレの中で重度な症状が出てしまった個体は腹部に穴が開くことがあります。
上の写真は15のハラオレの項目でも紹介しているのですがお腹の部分がポッキリと折れた事でそこに負担がかかってしまった為か腹部に穴があいてしまっているのです。
これらの個体は少し心配です。ただのハラオレならばそこまでカマキリに負担はなく無事に脱皮を出来る個体が多いのですがこれらの穴までいってしまった個体だとそのまま弱って死んでしまう場合があります。
大事なのはここまでダメージを負う程カマキリを放置しない事です。
※こちらの穴についてはカマキリに寄生する蠅の様な生き物がいて蛆虫の様なものが出て来た後だと言う説もあるそうです。事実確認中です。
「ヤドリバエ」と言うものが寄生している場合、カマキリの中でどんどん育ちやがてカマキリの腹を突き破って出て来るようです。なんて恐ろしい…
とりあえずハラオレ状態のカマキリと同じ様に散歩、餌を増やす、姿勢への気配りをしていってあげましょう。
私は大量飼育をしていたせいもあり見落としてしまっていました。本当こうなってからでは遅いですしカマキリに申し訳ないですね。
こうなってしまった個体の生存率はハーフアンドハーフといったところです。中には無事に脱皮をして持ち直す個体もいます。
ここは私の憶測を含みますが私たちが飼育をしいる分には気づけないですがカマキリ達が暮らす環境にはきっとカマキリに有害な菌なんかも多少は存在をしていると思います。昆虫に病気はないとは言いますけど実際様々な菌に侵されている様な気がします。
こうして穴が開いてしまってケガをした状態のカマキリに対してその菌が体内に入り込み良くない作用をきたす可能性がきっとあると思っています。
その為にもこういったカマキリのケースはより清潔に保つ必要があると思います。
いっそカマキリによく分からない不具合が出たらケースごと取り換えてあげましょう。
★2018年度飼育ピンクの12番さん
2018.07.14
こちらも分かりにくいですが腹の真ん中部分に小さな穴が3つ程。
餌を食べ過ぎてパンクして穴があいてしまったのかな?とも思ったのですがそういった感じに餌はあげていないのでその可能性も低い。餌のコオロギ辺りと戦闘して傷つけられたかも?それともこれもヤドリバエの仕業なのか。内臓部が食い荒らされれば内側の部分は当然薄くなって穴があいても不思議ではないかもしれない。
はたまた正体不明のダニとか?様々な要因が考えられるのですがこのカマキリは羽化を目前にして弱って死んでしまいました。本当に残念。原因究明しっかりしていきたいですね。
ハラオレ対処2019(追加項目)
2019/07/01
2019年度順調に飼育をしていってましたがハラオレ個体がついに出てしまいました。
2019/06/30
ぱっきり折れていますね。って写真分かりにくいですねwとりあえず該当する個体を見つけたらすぐ対処☆
コツ
・ケースの角度を変える
・ただちに餌を追加する
2019/06/30
どうにかこうにか折れない角度になるようにケースを固定します。そしてカマキリが餌を捕まえるのを待って、捕まえたのならばカマキリが逆さまではなく地面に脚がついた状態にします。
逆さまのぶら下がり態勢になり続けると腹への負担が悪化しますし、食べた餌折れ目でせき止められてカマキリの腹にちゃんと入っていかないので必ずこうして角度の調整をしましょう。ちょくちょく逆さまになっていないか確認をした方が安心です。
そして餌を食べた後もちゃんと腹部に餌が流れていくのを確認しておいた方がいいでしょう。じーっとずっと見てるのは大変だと思うのでちょくちょく確認程度で大丈夫だと思います。こちらのカマキリは夜にハラオレである事を確認したのでそれから寝るまで見守りをしていました。少しでも腹が折れる態勢になったのならケースの角度を変えて対応します。
2019/07/01
次の日の朝にはすっかり良くなっていました。無事に折れていた部分まで昨夜に食べた餌が流れて膨らんでいます。もう折れる心配はとりあえず回避です。
2019/07/01
逆さまになっても大丈夫!
ハラオレになる原因として考えられるのが、他でも書いてますが餌のムラだと思います。俗にいう2日に一度コオロギ1匹と言うのは飼育に慣れていない方への目安としてはちょうどいいかもしれません。食べすぎもカマキリにはとても負担になる事なので多分それを防ぐ為のお触書かと思われます。
しかし1日餌を空ける事がちょっと危険だと私は思っています。
2日をしのげる大きなコオロギ1匹をカマキリに与えた後に、1日あけるとその食べた分のコオロギがカマキリの腹部内で尻の方に移動します。これは糞になるためで通常の流れですが、そうする事でカマキリの腹部の上部に空腹空間が出来てしまいます。この部分がどうしても弱くなり、糞となる食べたコオロギ分の重さに負けて腹が折れやすいものと思います。
そもそも2日に一度コオロギ1匹、そんな流れで自然の中のカマキリは餌の頻度に制限を設けていません。
恐らく見つけた餌を手あたり次第ちびちびとでも食べているのでしょう。この自然の状態に近づける事が不要なハラオレを産む事をふせぐ事の第一歩かと思います。
勿論空腹状態も生き物には必要かもしれないですが自然下ではなく飼育下ではその状況を極端にもたらしがちなのだと思います。
よって餌はちびちび、日を空けず毎日ちびちびが理想なのではないかと私は思いそうして飼育をしていってます。
これを実施していく為に必要不可欠なストックが常「常に生餌がある状態」を保たないといけません。
カマキリの腹具合や健康状態ともいえる状態を常にチェックをしていつでも対応をしていけるようにしておきましょう。
ちなみにカマキリの腹具合についてはこちらでまとめています。
そして2023年 動画でもまとめています。サイトの内容+αって感じですので是非★