成虫の飼育

成虫になれば比較的飼育はシンプルに行える

もうカマキリとして出来上がっている成虫を飼育するのは恐らく幼齢のカマキリを飼育するよりもずっと楽だと思います。

なんといっても脱皮や羽化のイベントがもうないですから。

その分ある意味楽しみも少しなくなってしまいますが幼齢の頃から手塩にかけた成虫の飼育とあれば幸せしかないですよ。外から捕獲して来た成虫のカマキリだって負けじとかわいいですけどね!

成虫の飼育スタイルを決めるのはこれから飼育者のあなたがカマキリをどうしていきたいかに関係していくと思います。

オオカマキリの褐色個体成虫のキリ5

ただ普通にペットとして死ぬまで飼育をしたいのなら工夫はあまりいらないかもしれませんが出来るだけ長生きはして欲しいものです。

カマキリの寿命は長くても1年程度が限界のようです。繁殖を果たしてその後は死にゆく運命で決まってるんでしょう。こういった生き物は元々繁殖をする分までしか生きれない様に決まっているとみていいかもしれません。

※※自然の中で見られるのは11月が限界とみていいでしょう。たまにはそれ以降も生きているカマキリも居るかもしれないですけど先は長くないとみて間違いないかと思います。※※

詳しくはカマキリの寿命、死ぬ時、延命出来る?の項目をご覧下さい。

まず通常の成虫の飼育方法は

餌はコオロギを2日に1匹程度(ただしオスの場合は5日に1匹程度

水分補給は霧吹きや脱脂綿を使って出来るだけ毎日(水分については与えない方も居ます)

と言う感じで非常にシンプルです。
コオロギは長めにストックしたいのならSを、早めに与えてしまうのならMくらいが購入のベストでしょう。成虫のオオカマキリならば成虫のコオロギも問題なく食べられるサイズではあるのですが、コオロギは顎が強いのでカマキリを傷つける可能性があります。

飼育をする上では飼育する個体である大事なカマキリを傷つけない為にも成虫より前の小さいサイズを数匹与えた方が安全かと思って我が家ではそうしています。

ただし頭数が増える程に金銭的には痛手になっていくので長い飼育を考えてお財布と相談ですねw

幼齢期と同じく+日光浴は意識してあげた方がいいと思います。

カマキリは変温動物の為体を温める事が必要になってきます。直射日光は良くないですが適度に日光を与えてあげたいですね。自然の中に元々生きている生き物ですから私たちと同じで日光は必要なはずです。

飼育下で弱らせない為にも適度な日光浴はさせた方がいいでしょう。日光は健康の源です。飼育下で弱らせない為にも適度な日光浴はさせた方がいいでしょう。日光は健康の源です。

脱皮や羽化はもう行わないので加湿に関してはさほど意識しないで大丈夫ですが水分は生きていく上で必要なので忘れずに与えてあげたいと私は思っています。餌からも水分摂取は出来るはずなのですがそれでも霧吹きで水を与えたりするとカマキリは口にする事が多いです。必要としているからの行動だと思うので意識する事は必要かと思います。

※※※※水分を与える場合不衛生にならない様に気を付けましょう。脱脂綿などに含ませて設置する場合は出来るだけ毎日交換をしましょう。※※※※

以上の事を掘り下げて説明していきたいと思います。

成虫に与える餌のオススメはやっぱり生餌!

成虫になればある程度カマキリは強くなっているので安心なところが多いです。

絶食にも強い生き物らしいので餌が多少不足してもそこまで心配はいらないようです。しかし折角飼育下に来てもらってるんだからしっかり用意をしてもてなしてあげたいですね。

餌の種類も一気に豊富になります。大型の蜘蛛などカマキリに害を与えそうな生き物は勿論避けた方がいいですが多くの昆虫、小動物などを餌に出来ます。例として

ショウリョウバッタ、オンブバッタ、蝶、蛾、イナゴ、ミルワーム、アマガエルなどなど

上げればキリがないですがコオロギ、キリギリスなど顎が強めの獰猛な噛む様な昆虫はカマキリが弱っていたりするとカマキリを襲う可能性があるので様子を見て気を付けて与えましょう。

通常はカマキリの方が体も大きいので心配はないはずなのですが、あくまで与えるとしても少数のみです。コオロギだらけの中にカマキリを放り込む様な事は決してしないようにしましょう。

私のオススメはショウリョウバッタですね。なぜならショウリョウバッタ自体が飼育が楽だからです。そして捕まえやすい個体と思われます。ただしこちらはメス成虫はでかすぎるのでオススメではありません。オス成虫だとカマキリの腹具合に調整がきいてちょうど良いかと思われます。1匹でお腹を大体満たせます。

そしてリリースを考えなければあまり過敏になる必要はないのですが出来るだけカマキリの採取地にいる餌を捕って来るのがベストだと思います。

似たようなのでオンブバッタもよく私はとりますがこちらは少しカマキリが捕まえにくいイメージがあります。なぜならあまり動かないからです。活発に動くショウリョウバッタに比べてカマキリが認識しにくいんでしょうね。餌の草を一緒に入れておけばバッタ達も活発になりやすいですしストックをしやすいので必ず一緒に入れてあげたいものです。

ただどのバッタも「雑食である」と言うのを忘れてはいけません。弱ったカマキリには天敵になりかねますし大量に同じケースに投入はカマキリが襲われる&カマキリの腹がパンクすると言う二大危険性があるので絶対にやめましょう。

そして餌は出来るだけ偏らない様に様々な種類を与えてあげましょう

バッタの種類も様々です!

トノサマバッタだってオオカマキリは丸ごとたいらげてしまいますが、こちらはオオカマキリのメスでないと勝てないかもしれません。とても大型で脚力のあるバッタになるので。オスオオカマキリは細身ですし食も細くトノサマバッタだと食べ残す可能性もあってちょっとトノが気の毒なんですよね…。

幼齢の時に与えて居たような小さな虫、例えばコバエやSサイズコオロギなども与えれば食べない事はないのかもしれないですがあまり餌が小さすぎてもカマキリは見向きもしません。鎌で掴めるちょうど良いサイズのものを与えましょう

成虫オオカマキリ キリ4

アマガエルなどのカエル類なんてもはや小動物なのに昆虫のカマキリが食べてしまうとはすごいですよね。

血生臭い感じが大丈夫な人は試してみて下さい。(私はちょっと無理です…)

ちなみに同じカエルでもヒキガエルは小さくてもがっつり毒を持っているので与えないでくださいね。

カエルと言うとよく鳥肉の味に似ていると言いますが市販の私たちが食べる鶏肉もカマキリ達は食べてくれます。豚肉も鶏肉程の乱用は向いてないようですが脂身がない部分を選べば使えるもののようです。それに引き換え牛肉はあまり推奨しているものは見た事がありません。これも脂身の関係だと思われます。恐らくカマキリにはこういった動物の脂を分解する力があまりないのではないでしょうか。

食べない事はないですが肉を与えるのなら鶏肉、と思っておきましょう。

人工餌については肉の他にも魚類なども口にします。魚肉ソーセージやハム、チーズ、ヨーグルト、プリン、本当に様々なものを食べてくれますが野菜は与えた事はないですね。動かせばこれも飛びつくのかな?色々試してみて下さい。まぁあまり本来食べない変なものはオススメ出来ないですけど(^-^;

人工餌だけでの飼育も幼齢の時よりはしやすくなりますが人工餌を受付けないカマキリもいるのであくまで生餌をメインで考えた方がいいと思います。

比較的メスのカマキリは獰猛なので様々な餌にがっついてくれますがオスカマキリはそもそも餌のタイミングも少ないので人工餌を与えるのは苦労しがちなのが経験上の話です。

私の個人的な考えになりますがカマキリが自然界で生きている時に本来食べているものを飼育下でも与えるのが一番だと思うので人口餌でも育つのかもしれないですがやはり生餌にこだわっていく方がいいのではないかと思います。生餌の確保も大変なのですがカマキリ飼育者としてそこはがんばりどころなのではないでしょうか。

そして出来るだけ採集地と同じ場所で捕った生餌がオススメです。リリースを考えないとしてももし万が一を考えた場合その選択をした方が後々困らないと思います。

また成虫になれども甲虫は相変わらず固いので口にしないと思います。ミルワームの成虫程度だとたまには食べてくれました。どうしても甲虫しか手に入らない場合は甲虫を切って中の体液を吸わせる方法をとるといいそうですが私はそれ系は苦手なので実践してません。へなちょこなので。

餌については餌と水分で詳しく紹介しています。

成虫カマキリのお腹が減らない、その理由は?

元々オオカマキリの成虫のオスはほとんど餌を食べません。5日に一度程度の餌で足りるそうなのでオスについては心配しなくて大丈夫でしょう。メスと同じ頻度でオスカマキリに餌を与えても食べないので問題ないっちゃないのですが餌も気の毒なので無駄に放り込んで放置するのは避けたいですね。

餌の確保がなかなか難しいけどカマキリを飼育したいと言う人はオスが断然オススメです。餌を確保する頻度はメスの半分以下ではないでしょうか。まぁあんまりアクションがないのもちょっと寂しいものがありますが。大きさ的にもメスより小さいですからね。

ただしオスについては恐らくカマキリの全体数の内でメスより数が少ないものと思われます

自然下で1匹のオスが多くのメスカマキリに交尾をしかけて次世代を担うものと思われます。オスはめっちゃ仕事をしているんです!!そう考えると貴重なオスです。その事をよく考えて出来るだけカマキリの生業の邪魔にならない程度の飼育をしていきたいものです。

冬場の孵化をして成虫になったカマキリを長めに狭い空間で飼育をしていると、体力の消耗が少ない為なのか気持ち餌も少なくて済むような気がしていました。

しかしここで気を付けたいのがメスの成虫のカマキリです。メスの成虫のカマキリは卵嚢の素を繁殖活動をする前からお腹の中に蓄えています。この卵嚢の元が原因でお腹が膨らんでいるだけである場合もあるのでそこは勘違いをしないようにしましょう

未交尾でもメスは空の卵を産みます。他の生き物でもあるあるな話みたいですね。鶏の無精卵しかり。

と、言うのも私は勘違いをしてしまったのです。

これでバッチリ☆カマキリの腹具合の項目でカマキリの腹部の膨らみから読み取れる満腹度について紹介をしていますし、むこうにもこの事は書いてありますが成虫のメスカマキリにはこの目安は通用しないものと思っていいでしょう。

成虫を飼育し続けていくうちに腹部の膨らみがいつまでも解消されなくなりました。

通常の飼育の時目安となる2日に一度コオロギ1匹と言うペースに沿って餌をあげるとまだまだお腹の膨れたカマキリに更に餌を盛る事になるのですさまじいメタボカマキリが出来上がってしまう気がしました。メタボならまだしも餌を食べ過ぎるとお腹がはちきれる心配もあるので餌を少なめにするなど制限していました。

これが私の勘違いでした。

2017.07.30 キリ4の卵嚢

我が家で冬場の孵化をした内の1匹のキリ4と名付けた唯一の完全緑色個体が交尾をしていないのに空の卵嚢を産んでしまったのです。この場合メスの腹部は餌ではなく卵嚢分膨れていたものだと思います。

写真だと分かりにくいですが卵嚢分パンパンに膨れていた腹部が卵嚢を排出した為若干凹んでしまっています。まさか交尾をしていないのに卵を産むと思ってなかったのでびっくりしました。かなり飢えた状態で産卵をさせてしまった可能性があるのでとても反省をしました。

鳥や亀なんかが交尾をしていないのに卵を産むと聞いた事があったのですがカマキリもだったのですね。思えば人間の生理もこれに該当するでしょうか?生き物はきっとみんなこんな感じなのでしょう。人間の女性の生理も思えばこれなのか?

メスは気を付けないとなりません卵嚢分でお腹が膨れていてもきっとお腹はすくのでしょう。やはりむやみに餌の制限はするのは危険でしょうね。むしろ卵嚢を産む為にも体力をかなりつけないといけないので餌は十分に与えるべきところでもあると思います。

妊婦となる事を想定しているメスカマキリは恐らく腹部の伸びがオスカマキリよりは余裕があるものと思われますがどこまで平気か私には見当がつきません。

我が家では交尾を飼育下で行っていないので妊婦のカマキリの写真がないのですが気になる方は調べてみて下さい。はちきれんばかりにパンパンです。3倍くらいに膨らんでます。

満腹か妊婦状態か勘違いをしない様にと言ってもカマキリのお腹の中がどうなっているかなんてわかりませんね。

育てたカマキリの繁殖を望むのであればメスカマキリは特に早めにオスカマキリに出会えるように相手を探してくるか、それとも自然下に逃がして自力で頑張って貰うかを考えた方がいいでしょう

長生きさせたい時効果あり?体力の温存をさせる裏技

こちらについては長くなるのでカマキリの寿命、死ぬ時、延命出来る?の項目にまとめてあります。そちらをご覧下さい。

既に長いですけどねw

日光浴だけは欠かさない

上でも触れましたが、日光。これは幼齢の飼育でも同じ事ですが生き物にとって日光はとても大事な存在になります。

出来る限りでもいいので日光浴は心がけましょう。

日光浴のために昼間は窓辺に配置

とは言ってもあまり強烈な直射日光は望ましいものではなさそうな気がするので柔らかく日が当たる感じがいいかと思います。カマキリなどは甲虫などに比べると体の柔らかい昆虫です。しかしやわやわではそれは弱点になってしまいます。適度に日光に当たることでカマキリの皮膚は強くなるようです

正直学術的な比較は知らないのですがこの違いは試せば見てわかるし想像がつくものではないでしょうか。弱弱しい虫ながらに力強さを感じられる様になりますよ。飼育下だとカマキリは色が薄く育ちがちだと言われているのを見た事があるのですがこれも恐らく日光が当たらない事による影響かと思われます。そう言われてみると色も濃くなるような気がします。あくまで私の感じ方を語っているだけですが試す価値はあると思います。カマキリの色の項目も合わせてお読み下さい。

また昼夜の違いをつけてあげるのもカマキリの健康のためになるのではないでしょうか。

カマキリは特に暗くなると眼が黒くなったりとどうやら敏感に光を感じ取っているようですよね。

私の場合一時数が多かったので昼間仕事をして帰ってきてとなるとお世話が夜中までに渡ったりは当たり前になってしまいましたが出来るだけ夜は早めに消灯を心がけていました。

また昼間と夜間の違いを明確に出すにはやはり日光の力を借りるのが一番だと思います。

部屋の中の明かりがついていても夜になれば瞳がちゃんと黒くなるカマキリもいました。

常に自然界に生きるカマキリがどう過ごしているかを意識してメリハリのある飼育を心がけて長く付き合っていってあげましょう。

温度湿度について

温度が低いとカマキリは動きが悪くなります。

これは長く続くとあまり良くないと思われます。

なぜならカマキリは変温動物なので回りの気温に影響を受けやすい生き物です。

温度がある程度ないと動けなくなってしまいますしそうなるとそのまま死んでしまいます。

冬場になるにつれてオオカマキリを目にしないのはこの影響が大きいでしょう。

通常通りに春に孵化をしたカマキリならば寒い地方に住んでいない限りはそこまで敢えて保温などは意識をしないでも季節通りの温度で大丈夫だとは思いますが、ここで気を付けたいのがエアコンです。

狭い飼育ケースの中でカマキリを飼育していると温度がこもる気がするので真夏の高温を不安視してエアコンをつけたりして調節をしていたのですがいい事がありません

それは成虫では関係ない事ではありますが幼齢のカマキリで脱皮不全が続出しました。

この事から考えられるのは圧倒的な空気の乾燥です。

蒸れるのもよくありませんがあくまで室内、通常はそこまで厳しいものでもないのではないでしょうか。自然界ではカマキリは温度が高すぎれば涼しめのところに移動するのでしょうがそれが飼育ケースの中では出来ないので心配になるところなのですがこの備えとして通気性の良い飼育ケースをオススメしたいです。

またエアコンのきいた部屋にいると暑い季節はいい面もあるのですが必要以上に冷える感じもします。

成虫カマキリは餌をとる時以外はさほど行動をしません。じっとしているカマキリはどんどん冷えを感じてしまいそうですよね。こうなると動きが悪くなるどころか冷えすぎて良くなさそうです。

温度に関しては難しいところですがカマキリの様子を見て試していってみて下さい。

温度や湿度や日光浴についての詳細は温度と日光の項目へどうぞ。

いつまで飼育するの?

成虫のカマキリとなればもう繁殖の準備段階です。

自然界ではもう繁殖相手を探し回っている段階です。中には既に子孫を残す工程に踏み入っている個体もいるかもしれません。

私たち人間が本来繁殖期の時期にただただ成虫を飼育していくことは要するにカマキリの繁殖の邪魔をしている状態である事を肝に銘じて下さい。

飼育をして大事に育てて可愛がる事は決して悪い事ではありませんが通常のペットと違ってカマキリはとても短命な生き物になります。そうなると飼育をされている間にカマキリたちにとっての自然界の営みを行うとても大事な時期を逃してしまうのです。

この事を踏まえて我が家では長期の成虫の飼育せず1週間程度で切り上げる方向で飼育を行っていました。しかしそもそも飼育下に一度置いたカマキリを自然界に再び戻すと言うのは世の中的に推奨されていません。そこの事情も踏まえた上でよくよく考えて飼育を開始すべきだと今となっては思って居ます。もし成虫で捕獲をして来たのであれば本当に観察程度でさよならがいいのかもしれません。

※オオカマキリに限らず一度飼育をした生き物を自然界に戻すと言うのは飼育下でしか取り込まない菌などを持っている可能性がある為良い事ではないそうです。私は自分の行いの意味を自覚して餌に至るまで出来る限り同じ採取地内のものを与え同じ採取地内にリリースすると言う最低限のルールを守ってこういった事を行っていっています。こういった観点から決してリリースをオススメはしていないと言う事を認識下さい。

飼育を始める段階で最後の事もよく考えての飼育を強くオススメします。

冬場の孵化をした個体はいつもより長期に渡り成虫を飼育を出来たので少し嬉しかったですね。本当は長く一緒に過ごし観察をしたいのが勿論の本音です。それに孵化からお世話をしてきた個体となれば思い入れも半端ないですから。それでも本来の生きるべき形を尊重したいエゴがあります。

ちなみに短期間でも子供と一緒に生き物を飼育をしていると逃がすのは大変困難です。まず逃がしたがりません。

子供としてはカマキリの寿命なんて知ったことはないです。自分が捕まえたり育て上げた個体なら猶更でしょう。しかしその理由をしっかりと説明してどうにか納得させてこそ親子関係も良い築き上げが出来るというものです。ここは踏ん張りましょう。

とは言えある程度の時期は飼育を楽しむのも決して悪い事ではありません。

生き物の飼育はお子さんにもとてもいい経験になります。だから是非楽しむ事も忘れないでほしいです。一時的にお子さんが観察をする為に捕獲をしても秋になる前に逃がせば自然界での繁殖行動には間に合うものかと思います。これは地域の寒暖差でも変わってくるのでお住まいの地域に合わせて考えて時期を調整しましょう。寒くなってくるとカマキリの数は減って来ます。

一方、11月の本格的に秋から冬に向かっていく頃、この繁殖期が過ぎた時期に外で見つかる成虫というのはもう繁殖活動を終えた個体が主になります。

中には恋が成就しなかった個体もいるかもしれませんがどっちみち11月、秋以降の寒さには耐えられませんから、そのまま自然に暮らしていったのならば死んでしまいます。

こうなった個体ならば以降の時期を餌もない寒い屋外で過ごし生涯を終えるよりも飼育下でぬくぬく温かい中で飼育をして看取ってあげるのもカマキリ的にもいい話になるかもしれません。

終生飼育を最初から目的とする場合は繁殖後と思われるこういったカマキリを秋の終わりに捕獲してきて冬越し飼育をする事が私としては気持ち的にはまだ良いかなと思って居ます。

カマキリは冬場などは寒さと餌のなさで死んでしまう生き物ですが飼育下においていると案外長生きをして年を越す個体もいるそうです。ただしこちらはそもそも遅めに生まれただけかもしれないですけどね。ここはたくさんの個体を比較してみないと分からない話だと思います。

カマキリに命への執着が人間のようにあるとも思えないですが長生きを出来るのならきっと悪い事ではないですよね。

飼育スタイルについては飼育者さんによって形は様々なので何とも言えないですが私の考えとしてはどんなに別れが惜しくても繁殖の邪魔はしないと言うルールを設けています。その為に生きている生き物ですからね。

「自然界に解き放たれた個体は本当に自然界でやっていけるのか?」

孵化した時からお世話をしている個体だと尚更心配になるものですが自然界に出た後はもう私たち飼育者の関与は不要、自然のカマキリとして生きて生きていきます。天敵に襲われたり車にひかれたり色々あるかもしれません。しかしそれも運命です。生き方の一つの形として認めてあげるしかないと思います。

どこに逃がす?

一度飼育下に置いたカマキリ、餌を確保出来ないからやっぱり飼えない!など逃がす理由も様々でしょうがいざカマキリを逃がすとなった時、そこらへんで逃がしてはいけません。

勿論そこらへんで捕まえたのならそこらへんでもいいかもしれないですが、とりあえず捕まえた場所で逃がすのが一番良いと思います。

また車通りの多い場所で確保してきた卵嚢から孵化した個体たちも近い場所で安全な場所を選びます。道1本違うだけでも違います。柵の中と外でもカマキリの生存率はきっと上がってくれます。

あと一番困ったのが数年後工事をしてなくなってしまう公園の様なところで確保してきた卵嚢から孵化した個体です。これらが産んだ子孫たち、ゆくゆくは住まいを追われる運命になってしまいます。そうして先を考えるとやはりその場所には逃がす事は抵抗があり、近い場所で自然のなくならない様な場所を選ぶ事にしました。あくまでカマキリが自力で行動を出来る範囲内と言うのが様々な影響を考えた上では賢明でしょう。

こういった感じで捕まえた場所で逃がすのが一番とは言っても状況を考えて変えると言うのも必要になってくるかと思います。「侵略」にならない程度に。

道路のど真ん中で捕まえたからって道路のど真ん中に逃がす人はまさか居ないと思いますが、カマキリの為にどうするのがいいか?繁殖相手や餌を見つけやすい場所はどこか?車にひかれたり人為的な害がない場所はどこか?考えてあげたいですね。

そこまでしてこそ外に捨てるのではなく逃がす、返すと言う意味を持てるのではないでしょうか。


さようならお元気で★

出来る限りの終生飼育を心掛けながら先を見据えての飼育をどの生き物でもしていきたいですね。

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