卵嚢からの飼育3【卵嚢のある場所&見つける&見分けるコツ】

どのカマキリ卵嚢を持ち帰るかのチェックポイント

卵嚢が複数ある中で持ち帰るのならその中から良い卵を見分けて持ち帰るといいでしょう。

一重にカマキリの卵と言っても大きさも様々だったりします。

3つの大きさ違いのカマキリ卵嚢

※こちらの中央卵嚢は4/25に211匹誕生しました。

大体は4cm程度の大きさになりますがそれより小さなものも大きなものもあるようです。

私が実際卵嚢を探していると写真の真ん中の様なこれぞ卵嚢と言う大きさのものの方が少なく、小さ目サイズの方が多く見かけます。

これはカマキリが何度かに分けて産卵をする習性があるようですからその力加減の違いの結果と言う感じでしょうか。

大小で選ぶならリスクを理解した上でも一度は多く飼育したい、迫力ある赤ちゃんカマキリのナイアガラを見たいのなら大きな卵を、とりあえず少な目でと思うのなら小さめの卵を選ぶといいと思います。やはり中身の量も比例するものがあると思うので。

小さい卵は大体いびつな形をしていると思われます。出がらし状態で産むので勢いがあまりないんでしょうね。それでも100匹程は生まれる場合もあるのですが。

見た感じ傷んでいたり欠けがあったり色が黒っぽくなっていたりする卵はオススメ出来ません

傷んでいるカマキリ卵嚢

穴だらけのカマキリ卵嚢

古そうなカマキリ卵嚢

2021/01/10 上下さえおかしい?

こちらは古い前のシーズンの卵な可能性がありますし鳥などに中身をほじくられ済みで空の可能性もあります。生まれない卵嚢を春先まで保存しておくのもなんだか報われない気持ちになってしまいますよね。明らかに経年劣化が見受けられるものでは生まれないので気を付けましょう。カマキリが出て行った後の卵嚢と言うのは卵室の中身がいなくなるせいか凸凹とした表面になる様に見えます。中央のひだひだも何匹ものカマキリが出て行ったせいか目立ちます。

しかし表面的に傷ついたりしているだけで中身は無事なパターンもあります。野焼きの後でも卵嚢は中身を守ってくれるくらいに卵嚢は丈夫な作りになっています。見分けられないレベルの場合は見捨てずこれらを観察してみるのもありかもしれません。

寒い冬やありとあらゆる天候や衝撃から卵嚢は中にある卵室にいるカマキリの卵を守ってくれています。

この仕組みを人間の暮らしに取り入れられたのならすごくいい断熱材とかになると思うんですけどそういうのないんですかね(笑)

※4/27追記

穴だらけのカマキリ卵嚢②

こちらの卵嚢なのですがまさかまさかの無事に誕生をしました。

しかもその数合計250匹の孵化

孵化したての初齢幼虫

155匹に続き89匹、更に6匹とゾクゾクと出遅れ組が出てきました。

こんなにボロッボロの卵嚢でもちゃんと生まれるんですね。しかも通常より多めの250匹の孵化。これは大当たり卵嚢でしょう。

見た目だけで判断するのは危険だとよりかみしめた事柄でした。

寄生された卵嚢から産まれるのはカマキリではなく…?!

卵嚢の表面に穴などが目立つものや触った感じでスポンジの様に柔らかいものは他の虫に寄生されている可能性があるのでよくチェックしましょう。

穴が見られるカマキリ卵嚢

上の写真の卵嚢は私が持ち帰って来たものですが小さな穴があいてますね。

小さな穴なら寄生蜂の仕業の可能性が高いので一部の卵はやられてしまってるかもしれませんが大半は無事かと思われます。ボコボコいびつな穴が開いているようならカマキリタマゴカツオブシムシの仕業に違いないので中身は既に食べられてカツオブシムシまみれになってると思います。こちらは一般的にカマキリは1匹も孵化しません。

しかしこの写真の卵嚢に関してはダブルパンチだったようで寄生蜂らしき穴があるにもかかわらず更に全部をカツオブシムシに寄生されていました。こんな不幸もあるんですね。けど暫くはそれでも様子は見ます。寄生されたからといってすぐに卵嚢を捨ててしまったり割ったりするのは控えましょう。せっかく生まれるはずの命まで犠牲してしまう可能性があります。

通常通り孵化する卵嚢に比べて表面が透ける様な感じでカスカスしていて穴がたくさんあいているようなものはカマキリタマゴカツオブシムシがびっしりな可能性が高いです。

カツオブシムシに寄生されて穴があいた卵嚢

こちらはカツオブシムシに実際に寄生されていた卵の写真です。

カツオブシムシのはみ出た卵嚢

ちょろっと出てますね・・・もうこちらはカツオブシムシが頭を出していたので中を割ってみたらカマキリの姿はなくカツオブシムシびっしりでした。

カマキリの卵嚢はちゃんと中が詰まっているのなら手応えもしっかりしていて分かりにくいですが重さもあります。逆にもう出て行ってしまったぬけがらの卵だともちろんそれより軽いですね。しかしまだ寄生虫さえ誕生していない冬の時期、卵嚢を持って帰るタイミングで寄生されているされてないを見分けるのはとても難しいと思います。私もさっぱりわかりません。だからこそ何度もはずれを引いてしまうんでしょうけどね。

以上の様に卵嚢を持ち帰る際にはサイズ、色、質感(固さ、重さ)、傷や穴の有無などチェックポイントを抑えて無事生まれる卵をまず選ぶ事で春には大きな喜びを得る事が出来ます。

大きな卵でも必ずしも中身が詰まっているとも限りません。カツオブシムシがいる場合春先になった頃から穴が開いて来ます。せっかく孵化を心待ちにしていたカマキリの卵がボコボコに穴だらけになった時の絶望っちゃあありません。いびつで小さな卵でもしっかり生まれるものは生まれます。もうこうなったら運になります。

しかしこうして寄生をされていようが希望を捨ててはいけません。寄生されても尚命拾いする個体もまだいるんです。寄生についての詳しくを知りたい方はカマキリに寄生する生物の項目をご覧下さい。

このように卵嚢の段階で色々な試練がカマキリにはあるわけです。

卵嚢の中の事は割ってみない事にはわかりませんが、せっかくカマキリが頑張って産んだ卵を寄生された確信もない内に不明瞭な状態で割る事はかわいそうなのでそれはやめましょう。当サイトでは推奨してません。

興味本位で気になるのならネット検索して画像を探しましょう。新たな犠牲はいりません。あれだけ丈夫な卵嚢に包まれたカマキリの幼虫達ですからきっと卵嚢がなくなったら弱って生きていけないでしょう。

親カマキリが必死な思いで繋いだ命=卵嚢です。大事に扱いましょう。

そんな感じで当サイトでは中身の写真は用意出来ないのですがたまたま見つけたこちらの卵嚢を見て貰えばなんとなく想像がつくのではないでしょうか。

中身がちょっと分かる卵嚢

2021/01/10

中身がそれとなくはみ出てしまっていますね。恐らく卵をくるむ卵嚢のふわふわ部分が足りなかったかズレてしまったか。見えてる部分の子はちょっと危うい感じです。もしくは孵化後?ちょっとわからないですけどなんとなく中身のイメージはつきそうでしょうか。

孵化を狙って卵嚢をひとつだけ持ち帰るのであればこういった難のあるものは持ち帰らない方が良いかと思います。

カマキリの卵嚢はこれだと言うのを見極める!

卵嚢もなかなか見つけにくかったりするので発見するとついつい持ち帰りたくなりますが慎重に選ぶと良いと思います。これだ!と言うのを見つけるまでは手を出さないのをオススメします。あれもこれもと手を出していると結局卵嚢山盛りになってしまったりして後で詰むので(笑)

しかし場所にもよりますが一度見逃がした卵嚢を再び見つけるのは至難の業だったりしますよね。その日の内なら大体の場所を覚えておけば大丈夫でしょ☆とか思ったのに再度探してみるとどこいっちゃった?全然見つからない!なんて事もあったりします。都度都度、確保するかやめるかの見極めについての決断力は大事ですね。

私も今でこそ卵嚢を見つけても写真撮るだけでスルーする器量の余裕がありますが、卵嚢を確保する為に血眼だった飼育初年度なんて全く余裕なくてあれもこれもで各所で見つけ次第確保しがちでした。まぁその結果たくさんのカマキリを飼育するに至りこのサイトも出来たんですけどね。

卵嚢をたくさん確保すると飼育をする自分の負担がとても大きいので気を付けましょう。

大量飼育は絶対オススメしません!

並べられたカマキリ飼育ケース

2023/07/19

とか言いながら2023年もそこそこ飼育していたりする…中毒か?

カマキリの卵を目にする時期はいつ?

カマキリの産卵時期は秋と言われています。基本9-10月頃になると思われます。

数多くの昆虫達が繁殖を経て産卵を行い命を全うするこの時期にカマキリも例に漏れず命を繋ぐ生業をします。

それ以降から孵化をする5月頃までならばカマキリの赤ちゃんの詰まった卵嚢を見つける事が出来るでしょう。

草木がまだ葉をつけている初秋の時期は卵嚢は見つけにくいので卵嚢探しに行くのならオススメは12~3月頃まででしょうか。春になると草木が生い茂って来てしまうのでまた見つけにくくなって来てしまいます。

冬場になると他の雑草は枯れ朽ちてなくなりカマキリの卵が産卵された丈夫な雑草の茎のみが残り見通しがよく卵嚢を見つけやすくなります。こういった時期はカマキリの卵嚢を探すのに適しています。近所の植物が枯れ始めたら出番ですよ。

カマキリの卵を探していると枯れ葉がかなり憎い存在になります。背の低い木についた枯れ葉、あじさいなんか特に似てるのですが一見カマキリの卵に見えてしまうのです。何度も一喜一憂の繰り返しでした。

きっと孵化する時に目隠しになるようにこの植物の成長の流れを利用できているのでしょうね。

くまなく血眼になって探してみても見つからない時は見つからないです。ふとした時に運命的に出会うパターンが多いですね。

一般的に11月頃、寒くなってくるとカマキリ達は命を終えるので成虫は見られなくなります。

命つきて尚美しいカマキリ

2021/01/10 寒さの中息絶えたと思われるカマキリが新年明けてもまだ残ってました。

地域やその年によって季節の温度の移り変わりも様々なので11月には絶対と言うわけではありませんが大体の目安として15度以下を下回る日々が続くとあればカマキリ達には過ごしにくい季節となってくるでしょう。一般的に春の孵化も15度以上を予測して産まれて来ているようなので。

春に産まれたカマキリの中で無事に育っていったものは脱皮を繰り返し夏頃成虫になり繁殖の相手を探して交尾をしてやっとこさ秋に産卵態勢に入るのが通常の流れのようです。あれほどまでにか弱かった初齢カマキリが自然の中で様々な困難に立ち向かい命を繋いでいくまでに立派に成長するなんて感慨深いですよね。

しかも産卵後1か月もすれば中の幼虫はすぐ孵化出来る程立派に育っている言うから驚きです。

寒い季節をじっと卵嚢の中で耐えていると思うととてもけなげです。

だからこそ親カマキリが早めに産卵をしてしまうと秋や冬の暖かい日でも春が来たと思って季節を勘違いして孵化してしまうカマキリの卵もあるそうです。それでは困りますね。カマキリの孵化の時期と言うのは親カマキリの産卵の時期と大きく関係をしているようです。もう温度があがらないちょうどいい季節に産卵をしてこそ安心して越冬をしていけるわけですね。

自然の変化に敏感なカマキリも交尾のタイミングはきっと思った様にはいかないでしょうし産卵した後のメスカマキリは早々に死んでしまうと言いますから命からがらの状態で産卵を行っているのでしょう。

ちょうどいい季節まで産卵時期を待つ余裕なんてなさそうですし時期を間違えての孵化などが起きてしまうのは運命なのかもしれません。

もし春はまだなのに孵化してしまっている卵嚢を見つけたのなら保護をしてあげたい所ですね。そのままではみんな寒さで死んでしまいます。こんな時は積極的に飼育をしてあげてもいいのではないでしょうか。飼育下であればお世話は大変ですが通常のお世話+温度管理さえしっかりすれば季節問わずカマキリは無事に育つだけの力を備え持っています。

カマキリがどのくらい生きるのかはカマキリの寿命、死ぬ時の項目をご覧ください。

カマキリの卵嚢はどこにある?

こちらは該当するのがオオカマキリのみになるかもしれませんが、卵のある位置は大体地上から1m程度と言われています。

しかしこれも言われているだけであまりあてにはならない様に思います。

この高さは雪を意識しているという話もあります。

「雪が多く降る年はカマキリも高い位置に卵を産み雪に卵が埋もれない様にする。」

自然界に生きる昆虫たちはみんなかなり先の自然環境の変化を肌で感じ取っているのかもしれません。しかしこれがどこまで本当の話でどこまでが迷信なのかちょっと良く分からないところはありますね。まぁ漠然とロマンを感じます。

しかしこれは一般的に言われているだけでやはりあてになりません

2018年とんでもない大雪が各地で降りましたが思いっきり卵嚢は積雪に埋もれる高さに産み付けられていました。1mと言われている高さよりも思い切り低い位置にもたくさん卵嚢は見つかります。

卵嚢を見つけたい!そう思うのなら先入観は捨てるのです!

で、この卵がどういった場所にあるのかと言うと一般的にはセイタカアワダチソウやしっかりしたイネ科の植物の茎や背の低い木など様々な植物に産み付けられると言われています。しかし時には人工物にだって産みます。

フェンスに産み付けられた卵嚢

フェンスに産みつけられた卵嚢 よく見る光景

写真はオオカマキリの卵(ちょっと傷み気味、去年のものになるかも)になりますがカマキリの種類によっても卵のある場所は違ってきます。

チョウセンカマキリの卵嚢

こちらはチョウセンカマキリの卵嚢。公園でツルバラを固定するプラスチックホースに産卵されていました。ちなみにこちらは3月頃の写真、4月になり見に行ったらすっかりツルバラの影になってしまっていました。こうして目隠しをして安全に孵化をさせる工夫をきっと母カマキリはしているのでしょうね。春になったら冬場ほど見つけられません。

オオカマキリやチョウセンカマキリは似たようなところで見つけられますがハラビロカマキリは樹上性の性質がより強いのでどちらかと言うと背の高さのある木の枝の途中などに産み付けられているのを多々見かけます。

ハラビロカマキリの卵嚢

こちらは斜面に生える木に産み付けられたハラビロの卵嚢。同じ高さにオオカマもありました。

オオカマキリの卵嚢

オオカマキリの卵嚢②

しかも二つも(笑)

フェンスに産み付けられたハラビロカマキリの卵嚢

こちらは低めの膝の高さ程度の位置に産み付けられたハラビロの卵嚢。私が見つけた中ではこんな低いところにハラビロの卵があるのは珍しく感じました。ハラビロについてはムネアカハラビロと言う外来種も日本に入って来てしまっている様なのでそちらの場合もあるかもしれませんが私にはまったく区別がつかないですね(笑)在来種を大事にしたいところですが。

ムネアカについては中国から輸入した竹箒に卵嚢が産み付けられていた為に日本に持ち込まれたと言われています。日本でも竹箒やすだれの様なものによく産み付けられているようなのであの様に丈夫な素材を好むのでしょう。冬場丸ごと枯れてしまうような弱い植物に産み付けられているのは発見した事がありません。

カマキリは色々な場所に卵を産みがちなので一般的に~は通用しません。どこでも目を光らせていると言うのが卵嚢を見つけるコツだと思います。それぞれの卵が見つかる高さに合わせて壁面や木の幹にも見つかるようです。

私が毎年チェックしていたオオカマキリの産卵スポットでは下の写真の様な背の低い笹の様な植物にたくさん産み付けられているのを見つけます。地面から20cmくらいの位置です。しかしこの場所自体が石垣の上になるので植物の高さだけが重視するところではないのかもしれません。

低い位置に産み付けられたオオカマキリ卵嚢

低い位置に産み付けられたオオカマキリ卵嚢②

美しいですね

この場所だけでも10個くらいありました。

カマキリの卵を捜索していると複数見つかる事もあるわけですがその中には去年のものなども混ざっている事が多いです。ひょっとしたらカマキリは生まれたところの近くに産む習性があるとか?まるで燕みたいに世代交代で産卵をしてたりするんじゃないかとか妄想が膨らみます。ただ単に産みやすい環境というのが限られてくるわけですから偏るところがあるだけかもしれないですけどね。

私が探した印象としてはカマキリは孵化後散り散りなるせいか、1本太い幹があるような植物で細い茎が枝分かれした様な植物に産み付けられているのを多く見られます。人工物ですがフェンスやネットは本当に最高な産卵場所なのだと思います。雨風雪などに耐えられて更に足場が無限に広がっているわけですから。

低めの木に産み付けられたボロボロ卵嚢

こちらはつつじやさつきの様な低めの植木に 去年物の為ボロボロですが見つけるとつい写真を撮りたくなりますね(笑)発表の場がかろうじてあってよかったです。

隠れるように産み付けられた卵嚢

これなんですがローズマリー系の葉がうにょうにょした植物の葉の生えている根本、中心の茎の部分にもよく産み付けられています。この手の植物を見つけたらチェックしておきましょう。2017年度我が家で孵化をした卵嚢も友人宅のローズマリーから譲っていただいたものでした。

たまたまっていうのもあるのかもしれませんがきっと孵化後の事まで考えられてこういったところで見られるパターンが多いのかなとも思います。枝分かれした足場がある方が赤ちゃんカマキリもあっちこっちに散り散りになりやすく共食いなども防げそうですし他の兄弟の孵化を邪魔しないで済みそうですよね。

あと私が見つける卵嚢は丸見え状態なものは少なく、案外影の方に産み付けられている事が多いです

雨風を防ぐ目的や鳥などに狙われる心配もあるのでちょっと隠れたところに産む傾向があるのかもしれません。草木の影って見落としがちなので一度見た方向から更に逆方向もチェックした方がいいです。また目線の高さを変えて下からも。卵嚢探しをする時はひとつの植物を見るにしても正面からただ見るのではなく360度の角度を見てみましょう

また小型のカマキリであるヒナカマキリやコカマキリなどは石や枯れ葉や朽木の隅などにも産卵をするようです。間違えて踏んでしまわないか心配ですね。私は小型のカマキリについてはあまり見かけた事がなく卵も未確認情報です。様々なところにチャンスがあるんでしょうけど小型は卵もとても小さいのでなかなか見つけにくいでしょうね。見つかったのならきっとそれは運命でしょう。

冬場は枯れてなくなってしまう雑草の様な植物にはカマキリは卵を産まないものと思われます。

どこでなら安全に卵を春まで越冬させられるかをきっとカマキリは見分けられるんでしょうね。その判別能力が本能的にあるのでしょう。雑草の中でも冬場も枯れようが朽ちない、しっかり強い軸を持ったものを選んで産卵しています。

イネ科の植物に産み付けられた卵嚢

2018.04.04 イネ科の植物に産み付けられた卵嚢

こちらは持ち帰った卵嚢になるのですが手ではなかなか切れないくらいに丈夫なイネ科の茎でした。卵嚢はこういった植物に産み付けられているパターンが多いので探しにいく時ははさみを持っていると安心ですね。

笹のような植物に産み付けられた卵嚢

こちらは笹っぽい植物。上の卵嚢もそうですが地上から20cm程度の位置にありました。案外低いところも見ておいた方がよさそうですね。ちなみに河川敷付近になります。

目線の高さに産み付けられた卵嚢

2018.10.17

こちらは結構目線に近い高さに産み付けられてました。

カマキリの卵嚢の多くは植物の茎に産み付けられている事があるのでこれもそうですが葉が遮って見つけにくい事があります。少し覗き込んで葉の裏まで見てみるとみつかりやすいかもしれません。

たくさんカマキリ卵嚢を見つけても乱獲は絶対にやめましょう!!

私もカマキリの卵を色々なところに探しにいったのですが全然見つからない時は見つからないし、ひとつ見つけるともうひとつ、一体いくつあるんだってくらいに連続でたくさん見つかる事もあり捜索ポジションによって大分差があり、あんなに苦労して探してひとつもなかったのにこんな群生地があったなんてと驚きます。

たくさんあると私もどうしてもたくさん持って帰りたくなります。なぜなら寄生されて卵嚢1つ丸ごと生まれない可能性もあるからです。予備の卵嚢と言う意味でも多少は多く欲しいのですが、多くても3つ程度までと決めています。

大きなカマキリ卵嚢

2021/01/04 これは大きかったです

3つ…それでも多いかもしれないのですが、ただ1つの卵嚢に賭けた2017年、その1つが寄生された卵嚢だったので心の余裕を持てないでいます。

※ちなみに2020年度春の孵化は飼育個体が産んだ7個の卵嚢がある内ゼロ匹でした…数揃えてもこんな事もある。コロナでなんとなくバタバタだったので良かったのかもしれないけれど。

ただ屋外に産んである卵嚢を「3つ以上はとりすぎである」と自分の中でルールを決めています。

たくさん見つけたからと言って飼育もしきれないのにその卵嚢全てを持ち帰る事は決して推奨しません。

一つの地域で一人の人間が取る卵嚢の数で生態系に影響を及ぼす程の力は持たないかもしれませんが持つ可能性だってあります。

「アウトドアは自然破壊」なんて言葉もあります。

虫捕りを趣味にしている私は飼育者としてこの言葉を忘れないようにしています。

所有欲や支配欲を生き物で満たそうとするのはやめたいところですね。

カマキリの卵嚢の産み付けられた場所が工事などで埋め立てられてしまう場合、草木が伐採されてしまうところで卵嚢を見つけた場合、そういった本当の保護の意味で卵嚢を預かるのならば多めに所持しても良いかとは思うのですがそうでもないのにむやみやたらに自然下の生物を持ち帰る事自体があまりよろしくない事だと言うのは正論だと思っています

自分の趣味を楽しみながら自然を本当の意味で大事にする気持ちを今一度思い出し良い飼育をしていけるようにしたいですね。私もえらそうな事は決して言える立場ではないのですが乱獲だけは絶対にやめましょう。

たまにカマキリの卵嚢がオークションなどで大量に売買されているのを見ます。そして買うのも売るのも絶対やめましょう。

卵嚢を取った場所を覚えておこう!

卵嚢から思った以上にカマキリが生まれてしまった!そんな時は飼育しない分は自然に返そう!となるのが普通ですよね?まぁ私の様に大量飼育を試みる方も中にはいるかもしれませんがあまりオススメしませんしそもそもあまりそういう考えになる人いないですよね(笑)

こういった時に最低限のマナーとして卵嚢を取ってきた場所の近辺で赤ちゃんカマキリを逃がしてあげましょう。それはなぜか?単純に元居た場所に返すのは当然ですよね。疑問をいだくところではありません。

細かい話だとその場その場で遺伝子的な違いがあるので他の場所の遺伝子と混ぜてはならないそうです。ゲノム的な話はちょっと専門外っていうか私ただの素人でうまく語れないので申し訳ないのですがここについての正しい知識は他で検索して下さい。「遺伝子プール」などの単語を調べたら詳しい情報がヒットするかと思います。

ちなみにこれは赤ちゃんだけではなく育ってからでも似たような感じになります。遺伝子の違いは付きまとうのです。

まぁ、カマキリも多少なりとも自分で移動は出来るので絶対ココ!ってわけではなく近い場所なら大丈夫だと思うんですけどねぇ…赤ちゃんカマキリの内はとても体が小さいわけですし移動出来てもそうそう遠くには行けないので出来る限り卵嚢を取った場所の近くにしましょう。本来ならば一度飼育下に持ち込んだ生き物は外に逃がすべきではないのですが孵化したてならばセーフかとは思います…私はそう思うのですがアウトと捉える人も居るかと思います。とりあえず大っぴらで行うのは控えた方が身のためかと思います。←

そして卵嚢の採集場所と言うのはきっとカマキリ母さんがこの場所で間違いない!って事で産卵をしたわけでしょうから私たち人間の勘よりカマキリ母さんの野生の勘の方がカマキリ赤ちゃん達の人生を託せると思います。

しかしここで気を付けたいのがこれは卵嚢を取ってきた場所が安全な場所であったらです

出来るだけ元の場所に戻したいのですが卵嚢を取ってきた場所がもし近々工事が入ってしまう土地であったり、はたまた道路沿いであったり人通りの激しい場所だとしたらそんなところにカマキリ赤ちゃんを戻したら危険ですから近めの安全な場所に逃がしてあげる機転を利かせてあげるのが大事だと思います。道路で拾ったからって道路に逃がすって言う感じのはナシですよねって話です。

まぁここまで言わないでも普通そうすると思いますが(笑)

もし旅先などで卵嚢をゲットしてきてしまった場合はさすがにその旅先までまた行って逃がすと言うのはなかなかできないので終生飼育をしていくのが基本となります。

他の土地で採集をして来たカマキリを自分の住まいの土地に逃がす事は問題があります。それは例え孵化したてのけがれなき個体であってもです。

一度飼育したカマキリを外に逃がす事について私はカマキリを飼育した当初は甘く考えていたのですがなかなかに問題があるようなのでそこの判断は慎重に各自行うようにしましょう。行うのであればせめて同じ場所であり様々な条件があるのが世間一般的には絶対となってしまいますので気を付けて飼育を開始したいですね。

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