卵嚢からの飼育2【孵化不全を起こした失敗談】

【トラウマ】二度と繰り返したくないカマキリの孵化不全

前の項目で触れましたがハラビロの孵化記録の欄に孵化不全死とあります。

カマキリの孵化の際どの程度の確率で起こるかわかりませんが孵化不全と言ってカマキリが孵化の際に行う第一回目の脱皮を失敗してしまう事例があります。

せっかく孵化して来て一度目の脱皮をしていざカマキリの形になろうとしている幼虫が中途半端な恰好で死んで育たないのはとても辛い事です。私の失敗から生かした教訓でこれから飼育する方々のカマキリ達の孵化不全を防いでいける事に繋がったらと思いこの事例をまとめさせていただきました。

私も万全な準備とお世話をしたつもりでしたが傲りがあったなと思います。侮るなかれのカマキリ飼育です。

こうして振り返るのも辛いのですが生まれて間もなく亡くなったカマキリもたくさんいたのです。

ハラビロカマキリに関しては孵化不全がとても多かったのでとても辛かったのですが卵嚢の保管の方法については他の卵嚢と変わりなくだったので残念ながら原因がはっきり分かりません。生まれて来る幼虫も他のカマキリと比べてとても小さいのでひょっとしたらとても環境変化に敏感で我が家での飼育に不備があったのかもしれません。また我が家の飼育方法がハラビロに適応しきれていなかったのでしょう。

とりあえずこうして大量に原因が分からず失敗をしたからにはもうハラビロの卵嚢を確保して来ての飼育は行わないつもりです。

ハラビロカマキリの孵化光景

2017.5.24

孵化不全の多かったハラビロカマキリの卵嚢の孵化光景

卵嚢の保管の仕方については基本何か手をかける様な言われはないのですが水分が行き届かない環境下で保管をする場合は霧吹きなどでの水分補給をした方がいいと思います。

脱皮をする時は湿度との関係が大事でそれが不足してしまうと失敗に直結してしまうので失敗原因との関係はとても大きなところだったのかもしれません。自然下では卵嚢は自然と雨風に晒されて水分と乾燥がもたらされるものですが飼育下の卵嚢の保管方法で私がとった方法だとケースと蓋の間に不織布を噛ませていたので気密性は高かったものの必要である水分を補う雨風はあまり触れるものではなかったと思います。思い当たる原因はそのくらいになります。

カマキリの初齢幼虫

2017.5.24

孵化をする日は雨の日の次の日と言う事が良く言われています。

私の家で保管していた卵嚢の多くもケースの中で保管をされていながらこの流れで生まれたものが多かったので湿度との関係はやはり深そうですよね。

そもそも脱皮不全や羽化不全の原因の多くに湿度不足が関係をする様に孵化に関しても湿度との関係が根深いのでしょう。

とても多くのカマキリ、例えば100匹が生まれるとなると半数が死んでしまっても残り50匹、とまだまだ残ったカマキリは多い事になるので「いいじゃないか、きっと弱い個体だったんだ、そういうもんなんだ」と周囲に割り切る事をすすめられますがこれは違うと思います。

飼育下に自らの手で預かったとなればどんな状況でも成虫になるように万全にサポートをしてあげないといけないと思います。

失敗して死なせてしまった事を仕方ないで片づけるのではなくよく検証して2度と繰り返さない様に考えてあげたいですね。その為にも原因はいちいち考えます。

ハラビロについては我が家の場合は派手に失敗をしてしまったので軽いトラウマみたいになっていますがネット上でたくさんの飼育者さんをお見掛けするので実際はオオカマキリなどと同じ様に孵化や飼育は可能なものだと思われます。ただ私とは相性が悪かったのでしょうかね…。

2017年にこうなってしまいましたので2018年度はハラビロの卵嚢を見つけても写真を撮るだけにしています。好きなカマキリのひとつなのでいつかは克服したいですけどね。暫くはオオカマに専念したいと思います。※2024年現在になってもトラウマ色濃く卵嚢からの飼育はしていませんw

ハラビロカマキリ卵嚢

2018.03.15  きれいなハラビロ卵嚢

カマキリの孵化不全防止に必要なのは卵嚢時からの湿度管理?

上記でも触れましたが恐らく卵嚢の安全な孵化について湿度との関係は高いと思われるので、孵化が近づく季節には卵嚢を保管しているケースの中に湿らせた脱脂綿などを置いておくといいかもしれません。もしくは霧吹きを使用して適度に水分補給を意識していきましょう

カマキリを飼育する上で蒸れは大敵となっていますが孵化や脱皮をする時ばかりは湿度はないよりある方がいいと思われます。

蒸れてはいけませんが通気性の良い状態、なおかつ1cmないくらいのサイズの赤ちゃんのカマキリが逃げない環境をキープしつつ加湿をしましょう。そもそも自然下では雨風に晒されある時には雪まで降るわけです。かなり水分豊かな環境にあるわけですよね。

推奨されている卵嚢の一般的な孵化の方法の一つとして冬場はある程度そのままでもいいと思いますが孵化が近づく春先になって来たら1日1度程度は霧吹きをしておくと良いという話があります。こちらは卵嚢に直接ではなく卵嚢の回り卵嚢が産み付けられている木の枝やケースの側面などに向けて噴射しましょう。水をぶっかけるのではなく湿度を上げると言うのが目的です。

まぁ雨風雪を受けているわけですから直接かけても問題はないでしょう。卵嚢はとても丈夫な作りになっているので中のカマキリ赤ちゃんに影響などはないかと思います。

しかし水滴が残った状態で卵嚢が孵化した場合産まれて来たカマキリの赤ちゃんが溺れてしまう可能性があるので霧吹きを使用するのは多少危険も伴います。その点を考慮しての卵嚢の周辺への霧吹き推奨なのかもしれません。カマキリの卵嚢は朝方の孵化をする事が主である様なので夜の内に霧吹きをしておけば孵化する時間帯には多少水気もいい感じに収まるかと思います。

自然下では当たり前に雨風に晒されているのでそこまで神経質に水分を避ける必要はないと思われますが、念のために夜の時間帯を意識しての霧吹きの使用を私としてはオススメしたいと思います。飼育下ならではの配慮も時には活用していきましょう。

通気性の良いケースの中に保管をしているのならば霧吹きなどでもいいですが私の様に不織布を噛ませている(過去の飼育方法で以降不織布は使用していません)場合密閉性が高いケースの場合などは蒸れが心配になるので脱脂綿の方が無難かと思われます。もしくは霧吹きをした後は暫く蓋を開けて通気性を良くしてみたり、飼育環境によって工夫をしていってあげましょう。

孵化を成功させるには自然の中での状態にいかに近づけるかが重要だと思います。

カマキリが孵化を行う際には水分が不可欠であると言う結果ですが、これも飼育しているケースの状態のみならず天気や住環境なども影響をするので自分の場合のベストをしっかり考えて対応していってあげましょう。

そしてこうした孵化不全を免れて無事にたくさんのカマキリが孵化したからと言ってその後必ずみんな成虫になれるとは限りません。孵化からカマキリをお世話していく道のりはとても険しく大変なものになると言うのを先に述べておきたいと思います。しかし安心して下さい。楽しみはもっと多いですよ。

オオカマキリの孵化した幼虫と卵嚢

2018.05.05

孵化したてのカマキリはとてもか弱い!大量飼育の危険性

孵化した後の話で、我が家で一番ショッキングだった飼育例が2017年度に166匹孵化したチョウセンカマキリの内60匹くらいが数日のうちに弱って死んでしまった事です。以降もどんどん死んでしまいあっという間に半分以下の数となってしまいました。私の飼育の仕方に不備があったものと思われます。恐らく飼育ケースに使用していたプラスチックカップ内の蒸れが原因でしょう。

下記で原因については詳しくまとめています。初齢の飼育はオオカマキリで経験をした自負がありまましたがそれが傲慢であったのかもしれません。初心を忘れたつもりはなかったのですがもっと確認をして手間をかけてあげればととても後悔をしました。

そもそも飼育の方法うんぬんもとても重要なカマキリを生かす方法になりますが、それだけではなく生まれながらに弱い個体が居た可能性もあります。カマキリの孵化をした当時の私はとにかくカマキリを1匹でも多く成虫まで育てあげたいと言う気持ちばかりでカマキリを生かすことばかり考えて死への覚悟が出来ていませんでした。

生き物全てにおいて飼育をするとなったのなら必ずそうなんですよね。死の場面に立ち会う強さも持っていないと心が折れそうになります

せっかく大事に育て始めたカマキリが突然の大量死をしていると大分悲しいです。自分が悪いんですけどね。

この経験で卵嚢からのカマキリの飼育をする時にはカマキリを亡くす覚悟も必要だと思いました。何分量が多いので色々な事が起きます。どうにもならない時もあります。私は己のエゴで孵化した初齢カマキリを抱え込んでしまいましたが大量飼育は目が行き届かない面も多々あり管理が甘くなると言えます。

自分で経験をした上で話す事になるのも残念な事ですが自分のキャパを考えての飼育をオススメしたいと思います。

200匹程のカマキリを一度に飼育した経験が私には出来ましたがとても大変です。要領良くやっても毎日の様に3、4時間程度お世話の時間がとられるものと思います。毎晩徹夜でした。赤ちゃんカマキリはとてもかわいいですが成虫の飼育と違い本当に目が離せません。

悲しい結果になり自分も後悔して辛いですしカマキリも本来生きるはずの自然の中ではなくただただ飼育下で死んでいってしまうのはかわいそうですからよく考えて臨機応変に飼育状況を変えていきましょう

手が回りきらないとなる前に早めに判断をして飼育するカマキリの数を減らし飼育しないカマキリは自然に逃がすと言うのもひとつの方法としてありますが、飼育下に馴染む前(孵化してすぐ)が最低限のルールとなっている事を忘れないでおきましょう。※一度飼育下においた生き物は外に逃がす事は原則禁止です。

しかしこの手が使えるのも通常通りに初夏に孵化をした場合のみになります。

むやみに冬場の孵化を狙ったりするとそのまま飼育を続けるしかありません。冬の寒さの中ではカマキリ達は生きていけません。後から大変になる結果を生み出す様な人工孵化はやめましょう

孵化を無事に果たしたカマキリ達の中でキャパを考えて飼えない分は自然に逃がし、いざ飼育する為に残った初齢カマキリ、数が減ったからといってみんな無事育つかはまた分からないので更に減ってしまうかもしれません。ですが「うちの子」になった個体の持つ生命力を信じて精一杯サポートしていってあげましょう。

初齢カマキリ飼育の失敗原因とは?

初齢のカマキリの飼育に失敗した原因として何があるか?改めて考え直してみました。ちなみにこちらは成虫など大きくなったカマキリの飼育をする上でも関係するものになります。

・餌不足

・餌の虫に毒があった、襲われたなどの悪影響

・餌の食べすぎ

・水不足

過剰な加湿による蒸れ

・冷えor暑いなどの温度変化

こちらを踏まえた上でどれが私が行った飼育環境に該当するのか検証しました。

弱ったカマキリの飼育ケースを確認してみると多くのケースの中に死んだ生餌のハエやアブラムシがいました。餌になってもらったのに食べられる事もなく無駄死にさせてしまったのもとても申し訳ない事ですよね。しかしこの犠牲から、カマキリ個体のみの死亡ならカマキリ本体のみの不調が考えられますが餌の虫も死んでいるとなると思い浮かぶのが飼育環境の悪さです。

部屋の状況として換気が決していい状態ではありませんでした。予定通り春5月に産まれてくれたのであえて赤ちゃんカマキリを保温したわけでもなかったのですが同室に爬虫類がいたので保温ライトをつけた空間にケースを設置してました。それと相まって初夏の急激な猛暑でかなり部屋の温度が上がっていたものと思います。

更にケースに排水溝ネットを蓋として利用していましたがそれだけでは餌の虫が逃げてしまうのでその上から不織布を輪ゴムで固定して被せていました。水分補給の為に脱脂綿を水を吸わせてひとつひとつ与え入れて更に霧吹きをしました。これが余計な手間だと気づくには時間が数日かかりました。

日中仕事に出ていたので温度など予測がつかなかったのです。しかし早く帰って来た日に部屋に入るとムワッとした熱気を感じ気づく事が出来ました。

カマキリの大量飼育時並べられた大量の飼育カップ

その時の飼育の様子 1カップごとにチョウセンカマキリの初齢幼虫が入ってます

以上の事からおそらく我が家の初齢カマキリの死の原因は「蒸れ」になると思います。

冬場の孵化をしたオオカマキリの飼育をした後だったので冬場仕様でそのまま対応をしてしまった様に思えます。考えが足りずこれでバッチリくらいに思ってた自分が憎いです。乾燥が気になる冬場なら以上の飼育方法で確かにバッチリだったのですが季節は巡って初夏になってしまっていたのです。

恐らくそのミスが蒸れに繋がってカマキリの具合を悪くしてしまったもの言う検証結果に辿り着きました。

ここをもっと頭を巡らせて考えてあげればよかったと思いました。ここを改善したらグッと死んでしまうカマキリは減りました。失敗をしてしまう事があってもその後しっかり改善策を考える事はやはり重要だと思います。根絶やしになってからでは本当に遅いですからね。

餌がとれずお腹を空かせていたとしても水分は与えていたので空腹に関しては危機的状態に追い込むレベルではなかった様に思えます。こうして蒸れと言う要因に辿り着きましたが実際その他の原因も並行してあったかもしれません。それ以降も亡くなったカマキリは何匹かは存在したので。

カマキリマンションと呼んでいた飼育棚

蒸れを改善する為不織布は取り除き排水溝ネットのみの蓋に

カマキリの飼育カップたち

餌やりの時だけティッシュを分解して1枚だけにしてかぶせています

餌やり時ティッシュを被せられた飼育カップ

復活出来ない?初齢カマキリが死ぬ時

一度弱ると昆虫はなかなか復活をしてはくれませんがカマキリの元気がない時はいつも私なりの介護は行いました。

上で触れたチョウセンカマキリについては蒸れているかもと思ったのでケースからカマキリを出して空気に触れさせてみたり、水を補給してみたりヨーグルトを与えてみたり。しかし多くのカマキリはそのまま死んでいってしまいました。窮地にさせない事がまず必要なわけで後の祭りとなってしまったらもう取返しがつかないのです。大きく育った状態のカマキリよりずっとずっと初齢のカマキリはか弱い事を肝に銘じておきましょう。

ちなみにカマキリは死んでからではなく瀕死の状態での発見パターンが多かったです。

弱りながらも小さな体をピクピク動かし賢明に生きようとする姿には本当に胸が痛みました。

死ぬ時の特徴などはカマキリの寿命、死ぬ時にまとめてあるのでそちらをご覧下さい。
カマキリの場合歩く力がまだある子はまだ打つ手があるかもしれません3匹くらいは窮地からなんとか復活をしたので。しかしその後成虫に無事なれたものの中にその子達が存在出来たわけでもありません。

辛い勉強代となってしまいましたが私の失敗を経てこれをご覧になっている方が少しでもカマキリの環境を考えてあげられるようになれたのなら無駄ではなかったと思えるかもしれません。

くれぐれも初齢のカマキリの世話には注意を払いましょう。

そして何匹いても何齢でも毎日全てのカマキリの無事を確認しましょう

初齢カマキリ

カマキリだけでなく餌の虫が無駄死にをしていないかも環境の悪さのチェックポイントの目安になるかと思うので全体を見てあげた方がいいと思います。

しかし粗悪な環境にさらされながらも生き残ったカマキリ達はとても頼れる存在ですよね。その個体の強さに感謝を忘れず毎日「頑張ったね」と言いたくなります。

飼育が安定してカマキリが元気に育っているのを見ると私の熱意に応えてくれたと一人感じてしまいます。

本当はもっとここをこうして欲しいとかあるかもしれませんけどね。喋れない子達なのでよーく観察を心がけています。

以上の様に卵嚢からの飼育をする際には様々な困難が待ち受けています。

やはりよっぽど暇な人で時間がある人でない限りたくさん孵化したのなら半分は自然に帰すなどの判断が必要かもしれません。そもそもあまり生まれた子全てを面倒見ようと言う人もいないかもしれませんが(笑)

参考までに

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