これって治るの?脱皮不全羽化不全とハラオレ3

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4、背中と頭のみ出て鎌以降が出て来ない、もしくは鎌のみが抜けないで宙ぶらりん

2017.8.17 通常の脱皮を行っているカマキリの途中経過の写真 ここで止まってしまう状態が鎌が抜けない状態です

2017.06.06 このくらいの齢ですと皮をむく事もままならず死なせてしまいます。

2017.08.01 こちらのカマキリ分かりにくいですが鎌&触覚の部分で脱皮に躓き、鎌に古い皮が残ってしまった状態のまま固まってしまっています。触覚も切れてしまいました結果手を施しましたが脚などにも影響が出てしまっています。

背中→頭→鎌の順番で脱皮をするのが通常の流れですが鎌の段階で脱皮を停止されてしまうとかなり厄介になります

頭部の脱皮が複雑な作りになっておりカマキリの自力の脱皮でないと困難である事を2の項目で触れていますが、鎌もかなり複雑になっています。

脚と違って先の方が太くなっている為この部分が引っかかりやすいようです。

鎌の部分のみが不具合を起こした結果この様になってしまったと思うかもしれませんがあながちそうではなく、その前の背中が割れるところから頭や触覚が抜ける経過の段階で時間がかかってしまったりすると鎌の段階で体が乾いて来てしまって躓く可能性のあるかと思われます。脱皮の過程、羽化の過程は全てが繋がっています。勿論脱皮を始めた段階からではなくその前の暮らしぶりから全てです。どこかで飼育の手を抜いてしまったりすると後々こういった形で影響が出てきてしまう事を肝に銘じないとなりません。

<<対処法>>

何度か鎌が抜けなくなり宙ぶらりんのカマキリを目撃した事がありますがこの個体に関しては脚などの脱皮を促す方法と同じくスポイトや霧吹きで脱げない部分に加湿をしつつピンセットや竹串なんかで残った皮を剥ぐように取り除いていく方法を取りました。

軽度のものだと無事鎌が抜けきってくれるものもありますが時間がたったものなどは完全に古い皮がくっついてしまって取り除こうにも取り除けない状態になってしまいます。新しい体が乾き始めてしまっていると鎌の欠損変形を起こす個体もいます。

2017.7.3 このカマキリの場合は鎌の片方が抜けきらず変形をしてしまった上で脚も脱皮に失敗して歩けない状態になってしまいました。

鎌の部分で引っかかってしまうとその後脱皮をするはずの胴や脚などにも影響が出てしまう場合が多いです

2017.07.27 正面から こちらのカマキリの場合も上のカマキリと同じく鎌の片方が引っかかった事が原因で胸と腹の位置は水平に近いのですが腰をくねらせた様な状態、直角に近い状態に曲がってしまいました。後ろの脚も脱皮不全を起こしてしまっています。

2017.07.27 上から見た状態 かろうじて前の方の脚はほぼ無事です

2017.08.01 こちらのカマキリは両鎌が引っかかってしまった結果腰の部分で体が折れてしまっています。胸と腹が水平に位置しない、猫背の様な状態です。

これらのカマキリは自力ではとても脱皮を完了出来なかったので手を加えました。

カマキリが自力での脱皮が困難で手を加えた方が良いと言う判断をした場合、脱皮不全を起こして時間のたったものに関しては加湿をした後に古い皮をふやかす時間を設けた方が合理的だと思います。

本当ならば脱皮を失敗したカマキリを介助する場合迅速に一刻も早く古い皮を取り除いてあげたいのですがもう固まってきてしまっている古い皮と新しい体を無理やりはがそうとすると新しい体の方を傷つけて後々余計にカマキリの体に不具合が出る場合があります

脱皮の経過途中、いわゆる羽化前にこの「鎌」の脱皮不全を起こした個体は次の脱皮の際も鎌を引っかけて脱皮不全を起こす可能性が残念ながら大です。

羽化の時点でこの「鎌」の脱皮不全を起こしたのならば次の脱皮がないわけで、命は助かりますが自然界に返す事は不可能でしょう。カマキリの寿命まで面倒を見てあげるのがせめてもの罪滅ぼしでしょうか。

脱皮不全や羽化不全を起こしたカマキリでもその部位が脚の1、2本なら結構問題なくて自然に返す事が出来るのですが鎌に関しては不具合が例え片方でもあると餌をとれない(または取りづらい)ので我が家では寿命を全うするまで飼育を継続しました。

2017.10.11 鎌をはじめとするあらゆる部分に不具合が出てしまったカマキリ 移動もままならずこうして寝たきりの様になってしまった場合とても一人では生きていけません

ここは個人の考え方にもよりますが鎌を使えないカマキリをそのまま自然界に返して見殺しにする事で他の生き物の餌になり自然界で糧になる運命を辿らせるか、はたまたただただかわいそうだから飼育を継続して自己満足で看取るまで世話をするか。難しい選択になると思います。私の場合2017年度の時は後者でしたがどちらが正解とも思いません。そもそも不全を起こす個体を生み出してしまう事自体が間違いですからね。

やりきれない思いをする飼育者が今後出ない為にも、自分がそういった選択に迫られる様な自体をまた引き起こさない為にも、こちらに記録しているわけです。

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